ゴルフ仲間の「マッチング」利用拡大、「1人予約」同士が一緒にプレー 会社のつながりではない気軽さとほどよい緊張感
長野県内のゴルフ場で、初対面の利用客でグループを組んでコースを回る楽しみ方が広がっている。通常は会社の同僚など4人ほどのグループで予約するが、1人で予約した客同士を「マッチング」するウェブサイトの利用が拡大。人と予定を合わせず空いた時間を活用できる気軽さが人気の理由のようだ。 【写真】一緒にカートに乗り込む「1人予約」のゴルファーら
女性の利用も「初対面かどうかは気にならない」
「きょうは1日よろしくお願いします」。長野市信更町田野口のゴルフ場「ウィーゴカントリー倶楽部」で、「1人予約」を利用して集まったゴルファー4人が声をかけ合った。下高井郡山ノ内町の自営業男性(55)は「グループで予定を調整しなくて済むし、知らない人とプレーできるのも緊張感があって良い」。長野市の会社役員男性(51)は「プレーするのに初対面かどうかはあまり気にならない。いろいろな人とも出会える」と話した。
同ゴルフ場によると、この日のオープンコンペ参加者約180人のうち約50人が1人予約を利用。2017年に導入してから年々利用客は増え、現在は平日も含めて全体の1割ほどが1人予約だ。50代以上が多く、女性の利用も約16%に上る。利用したことがある長野市の50代女性は「どんな人が来るか分からないという面はあるが、楽しみ方が増えるのは喜ばしいこと」と言う。
ウェブ予約サイトの会員数は倍増
同ゴルフ場を含む全国1200超のゴルフ場が導入するウェブ予約サイト「1人予約ランド」を運営する「バリューゴルフ」(東京)によると、同サイトの会員数は18年末の約51万人から、今年7月末には110万人超と倍増。60代以上が多いといい、担当者は「元々会社のつながりでゴルフをしていたが、退職後は自分の予定でプレーしたい人が多いのでは」と分析。若い世代では、不定休の仕事に就く人や長期予定が立てにくい人などがよく利用しているとする。
同社は10年、他社に先駆けて1人予約のサービスの提供を開始。ゴルフ場の設けた枠ごとに予約者の似顔絵のアイコンや年代、性別、レベルなどを表示する。担当者はウェブを通して知らない人同士が出会う「マッチング」の文化が広まったことも「人気を後押ししている」とみる。