「変化」の広島 常広がフェニックスL6回4失点 課題に「正面から向き合って練習」
「フェニックス・リーグ、ロッテ4-1広島」(7日、天福球場) 「みやざきフェニックス・リーグ」が7日、宮崎県日南市の天福球場などで開幕した。広島のドラフト1位・常広羽也斗投手(23)がロッテ戦で“開幕投手”を務め、6回8安打4失点(自責点2)。二回までに4点を失ったが、さすがの修正力を見せ、試合をまとめた。この秋は変化を求め、自身の課題と向き合いながら、さらなる進化を目指していく。 実りのある秋にするため、強い決意を胸に宮崎に乗り込んだ。常広が開幕マウンドで新しい姿への第一歩を踏み出した。 「自分のやりたいピッチングをして、納得いくボールを投げたい」 1点リードの初回先頭の池田に安打を浴びる。その後、四球や味方の失策が絡み、2失点。二回にも3安打を集められ、この回も2点を失った。 しかし、三回以降はさすがの修正力を発揮。走者を背負いながらも、得点は許さず6回4失点(自責点2)にまとめ、「ボール自体は悪くなかった。低めの出し入れで打ち取れたりできたのはよかった」と前向きに振り返った。 今季最終戦だった5日・ヤクルト戦後。新井監督が本拠地のファンに宣言した。「来シーズンはさまざまなことが変化する年になると思います」。その言葉を受け右腕の考えにも変化があった。 常広自身、「一番の強みでもあり、弱みでもある」と話すのがメンタル面だ。ここまでの野球人生で積み上げてきた経験を信じ、突き進む。そのやり方で今季、プロ初登板初勝利をつかみ取るなど実績を残してきた。 ただ、一方で克服できていない部分があるのも事実だ。「課題が分かっていても、正面から向き合うことは難しい」。今季も課題をないがしろにしてきたわけではないが、「今考えれば、甘いところがたくさんあった」と反省する。 弱みや課題と真剣に向き合う秋にしたい。その姿は、初日から表れていた。追い求めたのは球の質。「四球を出さないというよりは、強いボールをゾーンに投げる。どんどん攻めていった結果、四球なら次につながる」。この日は4四球を与えたが、登板後に悔やむことはなかった。「結果を求めるというよりは、もっとちゃんと考えるというか、気持ちのところ」と表情を引き締めた。 高2軍監督も「球速が最後まで落ちないのはよかった。あれだけの真っすぐを投げられる人はそんなにいないから」と高評価を与えた。来季以降の飛躍へ、この秋をどう過ごすかが大きな分岐点となる。「(課題に対し)正面から向き合って練習するのが、大事になるのかなと思う」と常広。変化の先に待っているのは、さらなる進化だ。