仕事に集中できて、時間管理にもなって、そのうえ柔軟なタスク術?試してほしい「タスクバッチング」
タスクバッチングが効率的である理由
タスクバッチングは私の仕事のやり方に合っていて、イライラを感じる機会も減りました。 タスクの切り替えを頻繁に行なう必要もありませんし、あるタスク・グループを別の時間にスケジュールし直したとしても特に気にする必要はありません。 一日を通して自分自身のエネルギーを上手くコントロールでき、一日の終わりに、今日自分が達成したことに対してより大きな自信を持てるようになりました。 1. 切り替えコストが発生しない タスクバッチングでもっとも重要なメリットは、タスク切り替えのコストを抑えられるという点にあります。 切り替えコスト、別名「シフト税」と呼ばれるものは、タスクを切り替える際に意識をシフトすることによって生じる、パフォーマンスやフローへのマイナスの影響を指しています。 自動車運転中のスマホ操作の危険性を考えれば理解できると思いますが、メッセージを打ちながら映画を観た経験がある人なら、タスクを切り替えた時には意識をもう一度集中するまでに調整時間が必要になることにお気づきでしょう。 タスクを切り替えるために時間が消費され、労力も必要になります。それがいかに短時間であったとしても仕事をしている時に割り込みが入ると、不安感やイライラが高まることが知られています。 タスクバッチングでは類似のアクティビティをグループ化することでコンテクスト・スイッチを最小化します。一連のタスクを同一のフォーカス・セッション内で完了させることで、作業時間を短縮し、労力も最小限に抑えられるのです。 ヒント:気が散らないようにするため、いつを集中タイムとするのか、家族やチーム・メンバーに伝えておいた方が良いでしょう。 2. 柔軟性が高まる タイムブロッキングに比較して、タスクバッチングのほうが柔軟性の高い生産性向上テクニックであると言えます。 アクティビティを割り当てる時間枠について柔軟に調整できますから、特にクリエイティブなタスクに向いています。 たとえば、「書く」ための時間枠を設定すれば、その日に予定している書くことに関するタスクがすべて完了するまで、ほかのタスクは先送りしようと決めることもできます。 もちろん、できる限り割り込みが入らないようにした方がよいのですが、タスクバッチングは通常、タイムブロッキングに比べて、どうしようもない割り込みにも対応しやすくなっています。 なにかの割り込みが入ってしまっても、一括処理をいったん中断して、続きから再開できます。ワークフローを崩してしまうこともありませんし、その日の計画をやり直す必要もありません。 3. 生産性が向上する この点に関しては私の主観が入りますが、タスクバッチングを使ったほうがタイムブロッキングを行なうよりも仕事がはかどりました。少ない労力で、記録的な早さで仕事を終えています。 タスクバッチングを使って仕事をすれば、時間の使い方も管理しやすくなり、どういうことに多くの時間を費やしているのかが一目で分かります。 メモ:どんな生産性向上テクニックを用いようと、定期的に休憩時間を設定することが大切です。そうしなければ、エネルギーレベルを維持できず、いつか燃え尽きてしまうことでしょう。 また私は、自分自身でエネルギーレベルが最低になっていると感じる時間帯に、労力が少なくてすむアクティビティをなるべく予定するようにしています。 4. 期待値を現実的なものにできる タイムブロッキングを利用していたころは、一日のすべての時間を何かのアクティビティで埋め尽くそう、意味がなくてもより生産的になろうとしていました。 私は、ルネサンス人のような万能の人間になろうと、興味があるすべてのアクティビティならなんでも一日の中に詰め込もうとしていました。 しかしその結果、時間ばかりが費やされ、手に負えないという気分が続いてしまい、努力が報われることもありませんでした。 その点、タスクバッチングはもっと堅実な方法でした。 どのタスクも事前に割り当てたよりも時間がかかるものです。また、一日のうちにできるタスクの数にも限りがあります。 いくつもの仕事に集中力を薄く分散してしまうのではなく、もっとも重要なタスクにエネルギーを集中するほうがより合理的です。 一括処理を採用したことで、典型的な一日がどのようなものであるか理解できるようになり、タスクの優先付けも効果的にできるようになりました。 私の場合、Microsoft To DoやGoogle カレンダーを使用していますが、そのほかにも有用な時間管理ツールが存在します。 カル・ニューポートをはじめとする生産性向上の専門家が何と言おうと、1分単位でのスケジューリングが誰にとってもうまくいくわけではありません。これは、とりわけ、カレンダーを何かの時間枠で埋め尽くそうと躍起になる人にあてはまることだと思います。 一括処理で仕事を行なえば、何分経ったのかとか、あとどれくらい時間が残っているのかとか考えることなく仕事に没頭できますし、絶対にこちらのやり方で仕事をしたいと思うはずです。 タスク一括処理は、私が持つ生産性向上アイデアで最高のものです。しかし、どんなスタイルの仕事にも最適だということはできません。これまでに、タスク一括処理では上手くいかなかった経験もあります。 しかし、タスクバッチングの強みはその柔軟性と適用性にあります。自分にピッタリのシステムとなるように、少しずつ調整してゆきましょう。 Original Article: Why I Switched from Time Blocking to Task Batching (and Haven’t Looked Back) by MakeUseOf
嶋谷和幸/OCiETe