都内で引退会見、今後は指導を中心に活動

会見に出席した植草歩【写真：中戸川知世】

　東京五輪の空手・女子組手61キロ超級に出場した植草歩が24日、都内で現役引退会見を開いた。長年、空手界の顔として活躍した32歳。9月から日体大柏高で監督に就任し、今後は指導者としての活動を中心に第二の人生を歩む。ぽっちゃり女子のための本格ファッション誌「ラファーファ」のモデルも務めると明かし「ありのままを見せていきたい」と語った。 【画像】「可愛い」「ゴージャス」とファン反響、東京五輪イヤーにゴールドの振袖姿を披露…植草歩の2020年“初詣ショット” 　黒のジャケットを着用して報道陣の前に姿を見せた植草。涙ながらに「8歳から始めた空手を32歳まで続けられて幸せ。何度も空手を辞めたいと思う機会はたくさんあったが、大きな怪我なく競技を続けられて嬉しい」と心境を明かした。今後については「指導を中心にやっていく」と説明。日体大柏高で9月から監督となっており「自分の生徒で日本一を作ること」と目標も掲げた。 　さらに、今後は雑誌「ラファーファ」のモデルも務めると明かした。2013年創刊で、日本で唯一のぽっちゃり女性のためのファッション誌を謳う。植草は現役時代、猛練習を積んで筋肉をつけていたことから「体が大きいことが凄くコンプレックスだった」と振り返る。 「服を探すのが競技をしている時から難しかった。その中でもお洒落をしたい、綺麗でいたいと思う人はたくさんいると思う。今の自分もちょっとネガティブで、競技していた時の自分とは違う、太ったなと悲しくなってしまう時もあるが、美の部分で今の自分を好きになり、ありのままを見せていきたい」と話した。 「ラファーファ」では渡辺直美らもモデルを務めてきた。「（渡辺は）ずっと自分の憧れ。いつもキラキラ輝いていて、美しい。あのポジティブなパワーが競技をしていた時も、私を笑顔にしてくれた」と話し、さらに「顔が似ているとずっと言われてきた。本当か直接会ってみたい」と共演も希望していた。 　指導に軸を置きながら、今後はメディア出演なども積極的に行いたい考え。「今までは空手を通して私を知ってもらう機会が多かったけれど、別の方法で自分自身を多くの人に知ってもらって、空手を広げていければ」と話した。 　小学3年生で空手を始めた植草は、全日本選手権で2015年から女子組手単独最多となる4連覇を達成。16年の世界選手権で初優勝したほか、18年からの五輪予選シリーズ12大会で3度の優勝、7度のメダル獲得を果たした。17～19年にはプレミアリーグ年間女王に。金メダル獲得が期待された2021年の東京五輪では7位だったが、その後もプレミアリーグで4度目の年間王者となるなど活躍。今年5月に引退を表明していた。