「ぼく、もう死にたい…」小3の息子から出た衝撃の言葉。その“まさかの理由”… <漫画>
頑張り屋で、クラスの人気者だった
――最上さんから見て、息子さんはどんなお子さんなのでしょうか。 最上:真面目で頑張り屋です。周りのことをすごく考える子で、無理しやすいところがあります。不登校になる前は世間一般で言う、いわゆる“いい子”で、周りのママさん達から「すごい大人だよね、しっかりしてるね」とよく言われていました。 クラスでも人気者で、参観日に「自分の好きなもの」を順番に発表することになったとき、1人の子が「僕が好きなものは◯◯君です」と言い出して、そのあと皆が「僕も好き」「私も好き」と言ってくれるくらい好かれていました。多分、自分のことより人のことを優先してあげるような子だったんだと思います。 そんな感じだったので、不登校になってから他の保護者から「あの◯◯君が学校に来なくなるなんて信じられない。あんなに仲良くしていたのにどうして?」と言われたことが何回かありました。 だけど年齢にそぐわない無理をしたからこそ、学校に行けなくなったり私に反抗するような態度になったりしたんだろうなと思います。 ――頑張り屋だからこそ、不登校になるまで弱音を吐くことができなかったのでしょうか。 最上:息子は私に対して一番気を遣ってくれていたんだと思います。それが癖になって学校でも過ごしていたのが、限界がきて崩れたのかもしれません。 「学校に行きたくない」と言い出した時期というのは、精神的につらく起き上がるのも大変だった私が少しずつ持ち直し、職業訓練に通い始めたりと安定してきたタイミングだったんです。 私自身、それまで離婚や、弟が突然自死したことなどが重なり、うつ状態で余裕がありませんでした。そんな状態だったので、息子のつらさを読み取ることができなかったのかもしれません。
スクールカウンセラーとの面談で驚愕
――学校の先生の対応はどうだったのでしょうか。 最上:担任の先生は、「児童たちにこういうふうに声かけしてみますね」とか、「クラメイトが〇〇と言ってると、息子さんに伝えてもらっていいですか?」と提案してくれましたが、アドバイスなどは特にありませんでした。原因が分からなかったし、先生も困っていたんだと思います。 副校長先生や校長先生と面談しましたが、「学校を守るために言っているんだな」という印象でした。すべてが空回りというか「うちはやるべきことをやっています」というポーズとしか思えなかったです。 ――スクールカウンセラーの女性が、同じ学校の教員かつ保護者だったというエピソードに驚きました。 最上:スクールカウンセラーとして現れたのが顔見知りの同学年の保護者で、その人は同じ学校の教員でもあったんです。すごくモヤモヤしたので調べたんですけど、カウンセラーの世界では、カウンセラーと相談者が「カウンセラーとクライエント」以外の関係性を持つことは、倫理的に良くないとされているそうです。 そんな人に「家庭の状況を話せ」といきなり言われても、「この人はあのお母さんとも繋がってるし、他の人にも話すかもしれない」「そもそも学校側の人だし……」と不信感を抱いてしまい、何も話せませんでした。 <取材・文/都田ミツコ> 【都田ミツコ】 ライター、編集者。1982年生まれ。編集プロダクション勤務を経てフリーランスに。主に子育て、教育、女性のキャリア、などをテーマに企業や専門家、著名人インタビューを行う。「日経xwoman」「女子SPA!」「東洋経済オンライン」などで執筆。
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