テレビのスポーツニュース報道「日本プロ野球よりメジャー」は今後も不変なのか
「ジャイアンツ親父」として昭和、平成、令和と3つの元号をまたがって人気を誇るフリーアナウンサーといえば、御年83歳の徳光和夫さん。その徳光さんがニッポン放送のラジオ番組「ナイツ ザ・ラジオショー」で発した言葉が、SNSで話題となっています。 【動画】来日初打席で初安打!モンテスが右翼へ二塁打を放つシーン 「どこのニュース番組もそうですが、スポーツコーナーで最初に放送するのが、メジャーリーガーの話。日本のプロ野球が、こんなに面白いのにね…」 確かに現在、ニュース番組における野球の扱いは、「きょうの大谷翔平」がほとんど。日本のプロ野球はその分、割を食う形になって、紹介されたとしてもごくわずかになっています。 メディア関係者は言います。 「ニュース番組の制作者は、公共放送のNHKを除いて、常に視聴率を気にしながらやっています。1分、1秒の変動にも細かく気を遣い、いかにテレビ画面へと注目されるかに日々、心血を注いでいるのです。日本のプロ野球報道が減り、メジャーリーグの報道が増えたのは、そんな競争原理の結果。つまり、熱心なプロ野球ファンを除けば、一般大衆の興味、関心は大谷にあるということです」 プロ野球ファンにとっては厳しい現状ですが、「例外」のニュース番組もあります。 「日曜朝のTBS『サンデーモーニング』です。この番組において、スポーツコーナーは数字が取れる重要コンテンツ。その始まりは必ず日本のプロ野球から始まり、1週間の話題をうまくまとめて報じています。このコーナーを張本勲さんが長らく牽引したことも、『プロ野球びいき』の理由かもしれません。番組内における落合博満さんや中畑清さん、上原浩治さんらの発言はすぐにネットニュースとなり、『PVが落ちる』とされる日曜日のスポーツ系メディアのPV数を下支えしているのが現状です」(前述の関係者) それでは過去のように、プロ野球情報を地上波のスポーツニュースで仕入れることは今後、叶わぬ夢なのでしょうか。 そんな問いに、前述の関係者は言うのです。 「徳光さんの発言には、どこか巨人戦が地上波のゴールデンタイムを彩り、連日のように視聴率20%超を取っていた時代に対する、郷愁が感じられます。しかし現在、プロ野球は好きな人が自らアクセスして楽しむ、サブカルチャーと言っても過言ではありません。価値観が多様化する令和の世の中において、プロ野球は決して『世間の共通認識』ではないということです」 となると今後、ニュース番組のスポーツコーナーにおいて、プロ野球の話題がメジャー情報を凌駕することは考えにくいでしょう。 一方で国内の各球場は日々、満員の観衆で埋め尽くされています。パ・リーグの各球場に閑古鳥が鳴く中でも、地上波でしっかりと各球場の経過が報じられた時代が懐かしい…。年配のファンがそう考えてしまうのも、決して不思議ではないのです。 [文/構成:ココカラネクスト編集部]