阪神・湯浅京己が復活へ激白!「開幕1軍目指す」 来季は「恩返しシーズン」 年俸1000万円ダウン3700万円更改
「自分も勇気をもらえたので、そういう存在になれるように。1軍でやることによってそういった人たちも勇気づけられると思いますし、いろいろとお世話になった方々に恩返しもできると思う。頑張っていきたい」
球団は手術に踏み切る決断を後押しし、育成枠とする選択肢もあったはずだが支配下に置き続けてくれた。ファンも待ってくれている。岡田前監督は昨オフ、不調にあえいでいた湯浅が復活することを心待ちにし「一番新しい戦力は湯浅よ」と語っていた。病により一年遅れたが、藤川虎の一番の補強は、湯浅復活だ。(須藤佳裕)
★捕手立たせ投球まで回復
湯浅は「胸椎黄色靱帯(じんたい)骨化切除術」を受け、8月25日に球団から退院が発表された。同27日には鳴尾浜でチームに合流。会見では「投げられなくなったらどうしようという不安感とか恐怖感が一番に来た」と振り返った。9月16日にキャッチボールを再開し、11月11日には鳴尾浜で捕手を立たせてのブルペン投球(15メートルの距離で30球)を再開。同17日にも捕手を立たせて40球を投じ「130キロまで球速を上げた。問題なかった」と安どの表情を浮かべた。
■黄色靱帯骨化症から復活した現役選手
★DeNA・三嶋一輝 2022年8月に手術を受けた。術後6週間で投球を再開し、23年は開幕1軍。今季は7試合に登板し、1勝1敗、防御率5・14。
★中日・福敬登 22年10月に手術を受け、23年5月5日の巨人戦で1軍復帰。1回無失点で勝利投手になった。今季は13試合に登板し、0勝0敗、防御率1・54。
★ロッテ・岩下大輝 23年10月に手術を受け、今年4月25日のソフトバンク戦で1軍復帰し、1回無失点で、最速は153キロ。術後1カ月で練習を再開した。今季は21試合に登板し、2勝0敗、防御率2・91。
■胸椎黄色靱帯骨化症(きょうついおうしょくじんたいこっかしょう) 背骨付近の靱帯が硬くなり神経を圧迫する国指定の難病で、重症時は下半身のまひなどの症状が出る。越智大祐(巨人)、大隣憲司(ソフトバンク)らが現役時代に手術を受け、完全復活を果たせなかった。近年は医療技術の進歩もあり、三嶋一輝(DeNA)らが1軍復帰を果たしている。
■湯浅 京己(ゆあさ・あつき) 1999(平成11)年7月17日生まれ、25歳。三重・尾鷲小4年時に尾鷲野球少年団で野球を始め、尾鷲中時代は伊勢志摩ボーイズでプレー。福島・聖光学院高から独立リーグ、BCL富山を経て2019年D6位で阪神入団。21年に1軍デビューし、3試合に登板。22年は59試合に登板し、2勝3敗43ホールド。45ホールドポイントで最優秀中継ぎ投手。23年ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)日本代表。今季は1軍登板なし。183センチ、81キロ。右投げ右打ち。背番号「65」