再生なるか? 背水の斎藤佑樹 異例の一日2度ブルペン
■異例の一日、2度のブルペン入り 北海道日ハムの斎藤佑樹が沖縄の名護キャンプで、異例の一日、2度のブルペン入りをして投げ込みを行った。通常のメニューの中で、まずブルペンに入った斎藤佑は、約50球のピッチング、その後、トレーニングなどを行い、ジャージに着替えると、再びブルペンに入って、今度は、約80球を投げ込んだ。 「引退するつもりだった」メジャーから日本復帰の尚成 ピッチングフォームは、様変わりしていた。右足の軸でしっかりと立ち、そこからマウンドの傾斜を利用してドンと体重を移動する。ひねりや、沈みという、いわゆる日本風の“間”を取り除いたメジャースタイル。故障防止のためにメジャーで、広く応用されているメカニックである。故・伊良部秀輝が、このメカニックを追求して成功を収めた。左肩、左ひざが割れなければ、腕の振りが打者から隠れる。
■まず、チーム内での競争に勝つこと しかし、現状の新フォームは躍動感や迫力には欠ける。球持ちも悪い。このままでは打者に嫌らしさを植え付けることは難しいだろう。栗山監督も、この日、微妙な言い回しをした。 「怪我に対する怖さは消えた。では、今日は、躍動感、力感があったと聞かれれば……凄くいいなとは感じなかった。次のクールから実戦に入っていく。キャンプ前に、全員と交わした約束通り、ここからは厳しい勝負。入れ替えの可能性もある。チャンスは、自分でつかみとれということ。そういう厳しさが、チームを前に前進させる力になる」 ブルペンに入って、視察した侍ジャパンの小久保裕紀監督も、「どれだけ(故障から)戻っているかが気になりましたが、だいぶ戻っているようですね。侍ジャパン入り? チームでローテーションに入って結果を残すことからですね」と同じような感想を口にした。 実績のある投手ならば、「故障の不安さえなければ」のロジックは通用するが、斎藤佑の場合は、そこに、さらなるプラスアルファがなければ、栗山監督が期待しているローテーション入りには及ばない。ただ、クレバーな斎藤佑には十分自覚がある。 「いいスタートを切れています。でも、もっと精度を上げていきたい。常に100パーセントでは安定性がありません。80パーセントで投げて精度が上がるように考えています」