青学V3有力の第93回箱根駅伝は世界へつながるレースとなるのか?
正月に開催される第93回箱根駅伝の「チームエントリー」が12月10日に行われ、全21チームの登録選手16名が決定した。3連覇を目指す青学大は、3・4年生が11名入るなど、順当な顔ぶれ。前回2位の東洋大は1万m28分台のルーキー渡邉奏太が、同3位の駒大は前回10区の中村佳樹がエントリーから漏れた。出雲駅伝を沸かせた東海大はルーキー8名を登録。その一方で、1万mチーム最速タイムを持つ4年生の廣田雄希、出雲で5区と6区を務めた三上嵩斗と湊谷春紀の2年生コンビが外れている。 今大会は王者アオガクを筆頭に、出雲と全日本を欠場した口町亮が復帰する東洋大、同じくエース中谷圭佑がカムバックする駒大、1年生パワーが強力の東海大、全日本2位の早大、同3位の山梨学大。この“5強“”の争いが注目を集めているが、エントリー状況を見る限り、大本命・青学大の優勝確率がさらにUPした印象だ。 登録選手が決定したところで、今大会のレベルについて考えてみたい。まずは第80回大会以降における登録選手上位10名の1万m平均タイムトップの推移を見てほしい。 80回(04年) 駒大29分07秒66 81回(05年) 日体大29分07秒27 82回(06年) 順大29分04秒79 83回(07年) 順大29分00秒60 84回(08年) 駒大29分00秒05 85回(09年) 東洋大29分04秒06 86回(10年) 日体大29分06秒67 87回(11年) 早大28分56秒09(28分台到達は全3校) 88回(12年) 駒大28分40秒84(28分台到達は全2校) 89回(13年) 駒大28分31秒01(28分台到達は全3校) 90回(14年) 東洋大28分35秒50(28分台到達は全5校) 91回(15年) 駒大28分42秒57(28分台到達は全6校) 92回(16年) 青学大28分35秒60(28分台到達は全4校) 93回(17年) 青学大28分41秒54(28分台到達は全3校) ほぼ右肩あがりでタイムを伸ばしてきたが、今回は青学大が前年よりタイムを落とし、東海大が主力を欠いた影響もあり、28分台到達は前年より1校少なくなった。1万mの平均タイムでいえば、過去5大会のなかでは最低レベルの水準だ。 今年の出雲と全日本の戦いもハイレベルとはいえなかった。ともに青学大が圧勝してもおかしくなかったが、勝負は最終区までもつれこんだ。皮肉なことに、全日本は2区から早大がV候補の青学大をリードする展開になり、平均視聴率は10.2%と5年ぶりに2ケタを記録。瞬間最高視聴率は青学大のアンカー・一色恭志が早大・安井雄一を抜き去った直後で13.5%だった。 コンディションが同じではないため、単純比較はできないが、青学大の“もたもた感”はタイムにも表れている。今季は出雲が2時間10分09秒、全日本は5時間15分15秒が優勝記録。昨季は出雲を青学大が2時間9分05秒で制しており、タイムを1分以上落とした。 全日本は東洋大が5時間13分04秒で優勝して、青学大は5時間14分08秒の2位。コチラも優勝タイムは前年から2分以上も下げている。