「スタートアップ企業の給料は?」―変わりゆく“働く意義”に向き合う
■働くことの価値観が変わる時代――Voicy CEO緒方憲太郎さんの視点 現代の就職市場はかつてないほど多様化している。安定した給料や福利厚生が重要視されていた時代から、最近では給料よりも働く意義や価値を重視する人が増え、自己成長や社会貢献、仕事のやりがいを求める動きが顕著になってきている。今回は、就職活動を進める学生たちが、音声プラットフォームを提供するスタートアップ株式会社Voicyの代表取締役CEO緒方憲太郎さんに、逆面接を行う形で働き方や経営理念などを聞き、これからの時代に向けた新たな視点を模索した。 【写真を見る】「スタートアップ企業の給料は?」―変わりゆく“働く意義”に向き合う ■起業の動機と働く意義 緒方さんも、働く意義を重視する起業家の一人だ。2016年に株式会社Voicyを創業し、現在は約60名の社員とともに、200万人以上のユーザーを持つサービスを運営している。 起業動機はシンプルかつ情熱的だ。 「元々自分がいろんな事業を見ていく中で、世の中を大きく変える事業というのがとても好きで、人の生活を変えるという事業を作ってみたかった。そして、スマートフォンでみんなの生活がすごく変わって、目で見ていろんな情報を取得している中で、次は『日常のちょっとした取り組みの時間を邪魔せずに耳で情報取得をして生活する時代』が来るんじゃないかと思ったので、耳の世界を全部取ってやるぞ!というつもりで会社を立ち上げました」と語る。 ■給料以上の価値を提供する環境作り ――社員の給料は高いですか? 学生の率直でストレートな質問に対しても、緒方さんは正面から受け止め、「初めはめっちゃ安かったんです。スタートアップって出資を受けて赤字を掘りながら作っていくので、なかなか給料を高く設定することは難しかった。ただ、現在は相場通りの給料を提供できるようになっている」と明かしたうえで、さらに、給料以上に大切なものがあると強調する。 「給料が高い方がいい人もいるが、私たちは面白い仕事をしたい人たちが働きやすい環境を作っている。仕事が面白いと感じる人たちだけが集まる職場が大きな福利厚生になっている」