「スタートアップ企業の給料は?」―変わりゆく“働く意義”に向き合う
給料の高さでなく、仕事自体の魅力やともに働く仲間の質が重要だという考え方だ。 「給料を高くしなくても、面白い仕事ができる環境を提供することで、良い人材が集まる。給料が高いから働くのではなく、仕事が楽しいから働く。そのような環境を作ることに注力しているし、そうなることが非常に幸せなことだと思っている」 緒方さんは自身が企業で働いた経験から、こう続ける。 「給料が高いってことは、それだけ高い給料払わないと人が取れないっていう意味でもある。そこで魅力を出さないといけないわけですよね。こんなこと言ったら、『どうせ払いたくないだけだろう』とか叩く人もいるかもしれないですけど、お金以外のところで魅力を出すことを努力して、伝えて、納得してもらって、たくさんいる人口の中の1%以下の限られた人たちが、来てくれたらいい話だと思う。やりがい搾取だっていう人もいるけど、やりがいをちゃんと届けられてる会社の方が少ないと思うんですよ」 ■入社面接でのスタンス こうした信念から、入社面接についても独自のスタンスで、企業側が自分たちの価値観や働き方を明確に伝えることを大事にしているという。 「私たちはこんな価値観を持っている、こんな働き方をしていると正直に伝える。そうすることで、共感してくれる人だけが残る。逆に、隠して良い人材を集めようとするのは相性チェックができていない」 緒方さんは、会社は選ぶ立場ではなく選ばれる立場、という考えを基本としていて、面接はベストな恋人を見つけるのと似ていると語る。 「この質問してクリティカルに答えてくれたら採用、ということはなく、私はこういう付き合い方がしたい、こういう相手がいい私はこういうことが提供できる、私ってこんな価値観なんだということを伝え合って、それで強く共感し合えたら付き合っていいかなって向こうが来るんだと思ってます」 ■社会貢献と働く意義 「社員が自分の仕事に誇りを持ち、やりがいを感じられるようにサポートしています。例えば、定期的にキャリア面談を行い、個々の目標やキャリアパスについて話し合う機会を設けていて、社員が自分の成長を実感し、働く意義を見出せるようにしています」