コロラドの30代夫婦は、過去数年で約1.2億円の純資産を貯めた。あと10年ほどでFIREする予定だ(海外)
FIREが求められている理由
多くのアメリカ人は退職後の生活ための貯金に苦労している。また、退職者の多くが仕事をやめるには貯蓄が少なすぎると感じている。そのような現状において、経済的な安全を求める人々にとっては、FIREムーブメントが便利な青写真となる。 多くの人がFIREを利用して成功してきたが、すべての人にこのムーブメントが適しているわけでもない。その主な理由は、FIREムーブメントではときには非現実的だと思えるほどの貯蓄目標が必要になるからだ。 しかし、FIRE推進者のライフスタイルは多岐にわたるのも事実だ。また専門家は、FIREの考え方の一部──若いころから貯蓄と投資を行なって複利収入を大いに活用するなど──は、ほぼ誰にとっても有益であると指摘する。 クリッシーが、夫妻が貯蓄に用いた最高の戦略のいくつかを教えてくれた。また、早期退職を困難にしかねないライフスタイルの変化も指摘した。
FIRE的ライフスタイルとは?
クリッシーは、夫妻の貯蓄戦略をまとめて「少ししか使わず、多く稼ぎ、投資を増やす」と表現した。 支出を抑えるために、レストランで外食する機会を減らし、コストコでまとめ買いをし、旅行会社を使わずに自分たちで旅の計画を立て、自宅で運動してジム費用を浮かせ、お酒を飲む量を少なくした。 加えて、より多くを貯蓄に回すために、特定の出費を後回しにしている。 「スマートフォンのスクリーンに何年も前から亀裂が入っているが、気にせずそのまま使っている」そうだ。 収入を増やすためには、「積極的に追加収入を求めてきた」と、クリッシーは説明する。そのために「会社での出世にこだわった」そうで、26歳の時点で6桁(数十万ドル:数千万円)の年収を得るまでになった。加えて、彼女は認定栄養士としても働き、おもに夜間と週末をこの副業に使っている。 ライアンは人事専門家としてフルタイムで働いている。余った時間は、夫妻の所有する3件の投資物件の管理にあてがっているそうだ。この投資物件がふたりに不労所得をもたらしている。Business Insiderが確認したところによると、2023年の両者合わせた課税所得は25万ドル(約3750万円)だった。