日産が「2人乗りR32 GT-R」を公開! デザインそのままに430馬力「高性能EVユニット」搭載! 車好きも大注目の「大改造EV化プロジェクト」開始したワケ
エクステリアでは、BNR32型らしいデザインを残すことを重視したといい、EV化のためにマフラーを装着しない点や給油口が充電ポートとなっている点が異なるのみでカスタムなどは一切行われていません。 一方、車重の増大やパワーの向上に合わせ、ブレーキ性能は十分な容量を確保しました。後継かつ“第3世代”「GT-R」であるR35型のブレンボ製ブレーキを流用。これに伴い、アルミホイールのサイズも18インチへと変更されています。 前述の通り、ホイールは16インチの純正ホイールとデザインを全く同一としたオリジナル品です。このほか、足回りにはオーリンズ製のスポーツサスペンションキットを装着しています。 インテリアもBNR32型らしさをそのまま残しつつ、EV化と現代流のアレンジも加えられました。 メータークラスターは視認性の良い液晶ディスプレイを採用。メーターのフォントや配置などはBNR32型の標準装着品そのままで、当時の雰囲気が活かされています。 センターコンソール中央には通常、3連メーター(右からブースト・油温・電圧)とエアコンコントロールパネル、純正のカセットデッキが備わりますが、このエリアをすべて大画面の縦型液晶ディスプレイで完全再現したのも見ものです。メータークラスター同様に当時のフォントを用いています。 ステアリングは先出の通りパドルシフトが備わり、ステアリングコラムのキーシリンダーとは別に、プッシュボタンのシステムスタート/ストップボタンを装着。クラッチペダルはありません。 シフターユニットはAT化に伴い、特注品を装着。シフトノブはMTのようなグリップ型タイプですが、シフト操作はゲート式のAT車と同一です。 シートも純正とは異なる形状で、8代目の「SKYLINE」のロゴをあしらったレカロ製に換装。一方当時の1990年代の日産車特有の匂いはまだ残っています。 リアシートがあったところには、大きなバッテリーユニットを搭載。乗車定員は2名となりますが、カバーにはSKYLINEロゴをあしらい、車内の雰囲気を壊さないようにしています。 このほか、専用のエンジン音再現サウンドシステムを搭載。サウンドは車内のみで車外には再生されず、インパネ左のサテライトスイッチを押すことで作動します。 このサウンドは有志チームメンバーの“音マニア”がRB26DETT型のエンジンサウンドを徹底して研究したといい、アイドリングや空ぶかしだけでなく、エンジンの各回転域におけるシフトアップ/ダウン音も再現。 こうした五感で感じられる雰囲気のほか走行特性についても、ベースのBNR32型を栃木のテストコースに持ち込み、当時のシャシー設計担当者で、現代の名工にも選ばれた伝説のテストドライバー加藤 博義氏が走り込み、徹底してデータを収集。 クラッチの動きやアクセルのフィーリング、MT車やRB26DETT型特有の振動などの部分に至るまで、ドライビングの楽しさを追求しました。 BNR32型らしいエモーショナルな部分をなくすことなく、完全なEV化を果たしたのです。 前出の平工氏は、プロジェクトについて以下のように振り返ります。 「どちらからというと大変だったという部分も大きく、メンバーもヘトヘトだったという感じでした。しかも本当の開発業務ではなく、空いている時間に部活のように進めたので、かなり疲れているメンバーもいました。 でも『後に引けないから最後までやろうぜ』という感じで進み、サーキットで走行会と撮影をやったときはかなりの興奮状態でした。その後みんなで飲みに行ったときも、ものすごい盛り上がりました」(日産 平工氏) SNSなどでも日産ファンやスカイラインファンなどから多用な意見が飛び交ったR32EV。日産として今回公に披露されることとなり、注目の1台となりそうです。 ※ ※ ※ 東京オートサロン2025の日産ブースではR32EV展示のほか、また「R32EVトークショー」として、GT-Rのスペシャリストの田村 宏志氏と日産自動車 パワートレイン・EV技術開発本部 エキスパートリーダー 平工 良三氏が対談します。
くるまのニュース編集部
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