昔は「消費税」がゼロ円だったって本当? 消費税の有無で「モノの価格」がどれだけ違うのか解説
令和6年の現在、商品を買おうと思ったら8%もしくは10%の消費税が上乗せされます。しかし、昔は消費税が0円、つまり消費税自体がなかったことを覚えていますか? 今回は、消費税がなぜ作られたのか、消費税の有無でどれぐらい金額が変わってくるのかを見ていきましょう。 ▼会社員で「年収1000万円」以上の割合は? 大企業ほど高年収を目指せる?
消費税はいつから?
消費税が導入されたのは1989年(平成元年)の4月1日で、最初は3%の税率でした。消費税の歴史は意外にも浅く、35年ほどです。それまでの日本の税制度はシャウプ勧告に基づき、「所得税中心」の税体系となっていました。 また消費税が導入される前は、物品税、トランプ類税、通行税、入場税など、いろいろな品目それぞれに課税されていたんです。
なぜ消費税が導入された?
消費税が導入された理由は大きく3つあります。 ◆シャウプ勧告での限界 戦後復興から高度経済成長にかけ、日本の経済や所得水準は大きく向上していきました。その中でシャウプ勧告による所得税中心の税制度だと、給与所得への課税が大きく、所得の種類間における捕捉のアンバランスにより税負担の重税感・不公平感が強まったのです。 これにより「税負担の水平的公平」に対する関心が高まり「税負担は国民が幅広く公平に分担することが望ましい」という考えが広まりました。 ◆個人間接税の問題解決 消費税とは税を納める人と負担する人が異なる「間接税」のひとつですが、消費税導入前には「物品税」という税目が存在していました。 主にぜいたく品・趣味・娯楽品にかけられていた税ですが、生活水準の向上にともない、ぜいたく品の基準があいまいになり「どこからがぜいたく品なのか」を判断することが困難になりました。 ◆少子高齢化への早期の対応 以上2つの問題点に加え、本格的な少子高齢化社会が到来する前に、勤労世代に偏らずより多くの人々が社会を支えていけるような税体系の構築が重要とされました。消費者全体に広く薄い負担を求められる消費税の導入が必要だと考えられたのです。