令和に復活!小倉トースト発祥のお店が時代を超えて生まれ変わる
名古屋名物小倉トースト。名古屋市内の喫茶店ではポピュラーなメニューですが、それは中区栄に1921年からお店を構えていた「喫茶満つ葉」から生まれたものでした。 残念ながら店主が亡くなられたことで、小倉トースト発祥の喫茶店「喫茶満つ葉」は2002年に閉店。その後は暖簾分けした西区円頓寺商店街の「まつば」が小倉トーストの味を引き継いでいますが、 なんと20年以上たった2023年11月9日、新たに緑区に「喫茶満つ葉」の店名をそのままに復活。 一体、どのような経緯で喫茶満つ葉は生まれたのか。その背景にも迫りたいと思います。
曽祖母からひ孫へ。マルシェを通じて生まれた縁とともに復活を果たした「喫茶満つ葉」
新生「喫茶 満つ葉」がお店を構えたのは名古屋市緑区大清水。静かで公園が多く、子育てファミリーに人気の住宅街です。「喫茶満つ葉」は数ある公園のうちのひとつ八ツ松公園の南側にあります。 見た目は戸建て住宅ですが、塀には「元祖小倉トースト発祥 喫茶満つ葉」の看板が。この住宅の1階を借りて営業しています。 お店を切り盛りするのは2023年春に大学を卒業したばかりの店主・横井梨々香さん(以下梨々香さん)と、その母の横井名美さん(以下名美さん)だ。かつての喫茶満つ葉店主であり、小倉トーストの考案者である西脇キミさんは、梨々香さんの曾祖母、名美さんの祖母にあたる。入り口にも「満つ葉」と力強く書かれた立派な木製看板が。この文字を書いたのは西脇キミさんの息子で現店主・梨々香さんの祖父。 満つ葉が閉店して20年以上経った今、なぜ「喫茶満つ葉」の名でお店をスタートすることにしたのか。実は名美さんやその家族は、 多くの人に愛され祖母の想いが詰まった「喫茶満つ葉」を復活させたいという想いとともに、いつか古民家のようなところでカフェでもやりたいと考えていたそう。 もともとお菓子作りが趣味だった梨々香さんも同様だったようで、それならば大学を卒業後に喫茶満つ葉を復活させようと一念発起。お店を構えるにあたり、満つ葉を改めて知ってもらい自身が作るスイーツのブラッシュアップのために、オープンする1年ほど前からマルシェへ出店し始めたそうです。