中小企業の人手不足解消に期待 関西経済界、中小にプラスの経済対策歓迎
閣議決定した経済対策には、関西に多い製造業を始めとした中小企業にプラスとなる支援策が多く盛り込まれた。賃上げ対策や「年収の壁」引き上げが人手不足を解消し、電気・ガス代補助の再開が収益改善につながることが期待される。 【一覧でみる】総合経済対策の主な内容 経済対策には、最低賃金を2020年代に全国平均で1500円に引き上げる目標に向けた中小企業の支援策が明記された。設備投資の補助金強化や価格転嫁を後押しする政策が進められることになる。政府に中小支援への要望を重ねてきた大阪商工会議所の鳥井信吾会頭は「中小の生産力向上や稼ぐ力強化策を盛り込んだ経済対策を歓迎する」とコメントした。 年収の壁引き上げについては、労働者の収入増だけでなく、壁を意識した「働き控え」がなくなり、労働力の強化が期待される。ただ大幅に税収減になる見通しで、関西経済連合会の松本正義会長は「財源をどうするか真剣に議論してもらわないといけない。(政権の)人気取りでは困る」と指摘した。 一方、電気・ガス代の抑制策に関し、日本総合研究所関西経済研究センターの藤山光雄所長は「支援が必要ない企業や消費者も対象となり、財政負担が大きくなりやすい」と分析した上で、「本当に支援が必要な中小や低所得者に的を絞った対策へ重点を移していく必要がある」と強調した。(井上浩平)