劇団『ヨーロッパ企画』が2分間のタイムループ映画を制作 脚本家・上田誠が“時間もの”にこだわるワケ
日テレNEWS
アニメ映画『ザ・スーパーマリオブラザーズ・ムービー』の日本語吹き替え版脚本などを手がける上田誠さん(43)が代表の、劇団『ヨーロッパ企画』が制作する長編映画『リバー、流れないでよ』。映画公開を前に脚本を手がけた上田さんと、主役のミコトを演じた藤谷理子さん(27)、ノミヤ役を演じた諏訪雅さん(46)にインタビューを行い、2分間をループする物語の撮影の苦労や、映画の見どころなどを伺いました。
■オリジナル長編映画第2弾は、冬の貴船で“タイムループ”
映画『リバー、流れないでよ』(6月23日公開)は、京の奥座敷と呼ばれる貴船の老舗料理旅館「ふじや」を舞台に、繰り返す2分間のタイムループから抜け出せなくなってしまった人々の混乱を描く群像劇です。ヨーロッパ企画の劇団員以外にも、ゲスト俳優として本上まなみさん(48)や、近藤芳正さん(61)らが出演しています。
■時間をテーマにした映画にこだわる理由
ヨーロッパ企画制作の映画は今回が2作目で、2020年6月に公開されたオリジナル長編映画の第1弾『ドロステのはてで僕ら』では、2分後の世界とつながるテレビの存在にほんろうされる人々を描き、世界27か国53の映画祭で上映され、23の賞を受賞しています。上田さんは、映画や舞台で数多くの“時間”をテーマにしたSF作品を手がけています。 ――前作でも“時間”にまつわる映画の脚本を手がけ、今作は2分間のタイムループの脚本。こうした時間ものの映画を撮る理由はなんですか? 上田:(ヨーロッパ企画には)元々『サマータイムマシン・ブルース』というタイムマシーンものの舞台がありまして、それが2005年に映画化されたということがあり、それが僕だったり、ヨーロッパ企画の映画のキャリアが始まっているので、タイムトラベルものとか、時間の仕掛けがあるものが、自分たちのルーツにあるなという風に思っていて、時間映画を撮り続けていきたいなというのはすごく思っていて。 で、今回は貴船を舞台にするとなった時に、京の奥座敷といわれる神社があって、料理旅館が並んでいて、川が流れていてっていう、すごく箱庭感があるすてきな場所なので、その空間を最大限にいかすにはと思って、その空間を2分というループの中に閉じ込めてしまって、その中で人々がどう営むかっていうような物語を作ろうっていうのが発端でした。