日本の大企業も広告出稿!日本人が知らない「在住外国人向けメディア」調べてわかった奥深い世界
その理由の1つに、読者の日系ブラジル人は「定住者」という安定したビザ(在留資格)を持って日本で生活していることが挙げられるだろう。 ■ブラジル人が日本に定着した背景 「技能実習」「特定技能」「留学」などの在留資格と違って「定住者」には就労の制限がなく、日本人と同じように自由に働ける。だから長年、日本で暮らしている人も多く、コミュニティーが広く深いし、日本社会になじんでいる人も多い。 そんな「定住者」の在留資格が日系人に与えられたのは1990年のこと。時はバブルの絶頂期、モノはばんばん売れたが生産現場はつねに人手が足りなかった。工場などでの労働は3K(きつい、汚い、危険)といわれ、避けられるようになったからだ。
選べるほどたくさんの仕事があったということでもあるだろうが、政府は労働力不足を補うべく、外国人に目をつけた。それも日系人だ。ブラジルやペルーなど南米には明治時代から昭和初期にかけて移民していった日本人の子孫が根を張っている。彼らを労働力として呼び込むことにしたのだ。 日系2世と3世、その配偶者は「定住者」という在留資格を取得できるようになり、愛知や群馬、静岡など全国各地の工場地帯を中心に日系ブラジル人が定着するようになったというわけだ。
就労の制限がないこともあり「アルテルナチーバ」には人材会社の広告もたくさん躍る。製造業がかなりの部分を占めるが、食品加工、介護、倉庫、トラックドライバーといった仕事もある。カップルや夫婦で働ける職場だとアピールする求人が多いのはブラジル人の人柄を反映しているのだろう。 「引っ越し代負担!」をうたう求人も目立つが、これは少しでも給料のいい職場に移っていくことがブラジル人の間ではよくあることだからだそうだ。
「残業たくさんあります」なんてキャッチもあって、とにかく稼ごうというバイタリティーを感じるけれど、一方で昔もいまも日本人があまり就きたがらない人手不足の職場を外国人が支えているという現実も「アルテルナチーバ」の広告からは浮かび上がってくる。そして、もう少し正規雇用の求人広告が増えていけば、外国人の生活もより安定するのではと思った。 ■日本企業がブラジル人を募集する理由 「アルテルナチーバ」には日系の人材会社もたくさん出稿しているが、そのひとつが株式会社ユタカだ。