「痛かった」とソフトバンク小久保監督が振り返った走塁死 腕を回した井出コーチが語る判断理由
◆日本ハム5―3ソフトバンク(25日、エスコンフィールド北海道) ソフトバンクの小久保監督が「めちゃくちゃ痛かった」と振り返ったプレーは、3回に起きた。 ■痛恨の本塁憤死、腕を回した井出コーチ【動画】 3点を追う3回1死一、二塁で、牧原大成の当たりは左前へと転がった。三塁コーチャーの井出外野守備走塁コーチは腕を回した。つまり二塁走者の周東佑京へ下した判断は「三塁を回れ」だった。日本ハムの左翼手、水谷瞬の送球はワンバウンドで捕手のもとへ。結果的に周東は本塁憤死となり、後続も倒れてこの回は無得点に終わった。 井出コーチは本塁生還の判断を下した理由を語る。「(周東)佑京の足とジェシー(水谷)の肩だったらいけるかなと」。昨季は2軍外野守備走塁コーチとして水谷の守備も間近で見てきただけに、水谷が決して強肩ではないことは熟知している。その上で「プラス今日は風が強かったから、アゲンストの風だと、結構(ボールの)回転が良くないとそれやすいので。そこを狙っていったんですけど」と環境面でも後押しする要素があったと振り返る。 今回の判断を含め、どのように決めるのか。井出コーチは「相手のプレー全部が出る前に判断しなきゃいけない。同じ人が10球投げても、10球同じ球は投げられない。シートノックでもそれる人もいれば、今日みたいにいいボールがいったけどはねる(人もいる)」。相手の守備能力や捕球状況、走者。さまざまな要因を加味して、数手先を読んで判断を下す。それだけに確実な答えはない。「すべて全部ストライク(送球)が来る(前提)で判断していたら回せないし、得点も上がっていかない」と言い切った。 三塁コーチャーの判断は得点に直結するだけに難しい判断もある。それだけに走塁死がフォーカスされることも多い。「何を言われても信念をやるだけです」。そう語りバスに乗り込んだ。(鬼塚淳乃介) 【#OTTOホークス情報】
西日本新聞社