暗号資産で最も影響力のある人物 2023
進むTradFiとの融合
リストには他にも、NFTやDeFi(分散型金融)からハードウェアやCBDC(中央銀行デジタル通貨)まで、幅広い業界のサブセクターからの名前が含まれている。このリストには、レジャー(Ledger)のパスカル・ゴーティエ(Pascal Gauthier)CEOのようなおなじみの名前と、TradFiからの新顔が混在しており、両者の融合が進んでいることを反映している。 かつてはビットコインを否定していたブラックロック(BlackRock)のCEO兼会長のラリー・フィンク(Larry Fink)氏も、今ではウォール街の他の金融大手と並んでビットコインETFを立ち上げようとしていることで選出されている。 また、米CoinDeskのイアン・アリソン(Ian Allison)記者は、バンクマン-フリード氏が経営していたアラメダ・リサーチ(Alameda Reseach)のバランスシートの不正をスクープし、FTXの破綻とバンクマン-フリード氏の裁判のきっかけを作ったことを評して選出された。以前は誰も信じていなかったかもしれないが、今年はジャーナリストが暗号資産インフルエンサーとなった。 米CoinDeskは、このシリーズのために10人の一流アーティストに10点のオリジナルアートワークを依頼した。 米CoinDeskがその年に暗号資産を動かした「最も影響力のある人物」リストを発表するのは今年で10年目となる。振り返ってみると、以前のリストに選ばれた多くの人物が、いまだに名声を保っている。 イーサリアムの共同創設者であるヴィタリック・ブテリン(Vitalik Buterin)氏は、著名な暗号資産知識人であるバラジ・スリニバサン(Balaji Srinivasan)氏と同様に、リストに3回登場している。2015年と2016年に選出されたブライス・マスターズ(Blythe Masters)氏、Theymos、アダム・ルドウィン(Adam Ludwin)氏らは、最近ではあまり目立たなくなっている。 リストがすべての人を満足させるものではないことは承知している。今年選ばれてもおかしくなかったのに、選ばれていない人はたくさんいる。それについては容赦願いたい。 「最も影響力のある人物」シリーズは、何よりも業界のトレンドやテーマ(そしてそのテーマに関連する人々)を伝えることを目的としている。実際の影響力を網羅するものには決してなり得ない。これはスナップショットとしての意味合いが強く、決してランキングではない。トップ10を選ぶ以外、名前に順番をつけることはなく、概ねランダムに並べている。 |翻訳・編集:山口晶子、増田隆幸|画像:「Ordinals」の生みの親ケイシー・ロダーモー氏をイメージしたNFT画像(Rhett Mankind)|原文:Introducing Most Influential 2023
CoinDesk Japan 編集部