清洲会議で秀吉が柴田勝家にプレゼンしたら…対立する相手を黙らす「パワポ資料」の準備方法
■相手のタイプに合わせて議論を進める このモデルはポール・マクリーンの考案した「三位一体脳モデル」と、ロジャー・スペリーの「右脳左脳モデル」を組み合わせたものなので、思考から発生する相手の言動や行動からどのタイプかが類推できます。 この4パターンは右脳系か左脳系かの分類と大脳新皮質(理知的)か辺縁系(本能的)かの4つの分類で表されます。 ①論理的 このゾーンは論理的・分析的なアプローチを好み、数字やデータを重要視します。淡々と話し、細かい指摘やデータを元に意思決定します。 ②堅実的 緻密に計画を立てて実行するタイプで、最後までやり遂げる責任感の強い傾向があります。保守的で勤勉、スケジュールを気にするタイプです。 ③独創的 このゾーンは新鮮で未知な要素を求めます。また全体的な視点を持ち、メタ認知的な要素もあります。話題がコロコロ変わってしまったり、身振り手振りが大きかったり、例え話をやたらしたりします。時間にルーズな傾向もあります。 ④感覚的 このゾーンの人は精神的な面に影響を受けることが多いタイプです。とても友好的でコミュニケーションを自分から行いますし、人の気持ちに寄り添うことも可能です。相槌がやたら多かったり、自らコミュニケーションを取ろうと積極的にアクションしたりします。 この4つのパターンをベースにして相手のことを知り、相手の立場に立って議論を進めるようにしましょう。 今回の清洲会議では、勝家は保守的で堅実的なタイプで設定し、秀吉は独創的でありながらも左脳的な傾向も持っている設定にして、ロジカルに根拠を用意して説明するようにしてみました。 実際のビジネスシーンでもぜひ、プレゼンで勝ちきる際の参考にしてみてください。 ---------- point ・会議に入る前にアジェンダを準備 ・サマリーだけでなく補足資料も ・ハーマンモデルで相手のことを知ろう ---------- ※本書は史実をベースにしたフィクションを題材にしています。 ---------- 前田 鎌利(まえだ・かまり) プレゼンテーションクリエイター/書家 東京学芸大学卒業後、通信業界にて17年にわたり従事。2010年に孫正義社長(現会長)の後継者育成機関ソフトバンク アカデミア第1期生に選考され年間第1位を獲得。孫社長(現会長)のプレゼン資料企画・作成・演出などを手掛ける。ソフトバンクグループ会社の社外取締役や、ソフトバンク認定講師として活躍。2013年に退社、独立。ソフトバンク、ベネッセコーポレーション、セブン‐イレブンなど年間200社を超える企業にて講演・研修等を行う。著書はシリーズ累計47万部を超える。また、独立書家として700名が通う書道塾 継未 -TUGUMI- を展開。Softbank「志高く」、JAXA「こうのとり」、Jリーグ「絶対突破」、『逃げ上手の若君』(週刊少年ジャンプ)での書の提供など多数の作品を手がけ、ライブパフォーマンスや個展を国内外にて開催。 ----------
前田 鎌利