清洲会議で秀吉が柴田勝家にプレゼンしたら…対立する相手を黙らす「パワポ資料」の準備方法
■対立する相手も腹落ちする補足資料を作る 2 差をつける補足資料の準備 今回は1枚サマリーを提示した後に柴田勝家との議論へと入っていきます。 議論の際に主張をする上で重要なのが補足資料です。 ただひたすら感情的に物事を伝えるよりも、補足資料を用意してそちらを元に話した方が確実に説得力が増します。 今回ですと、信長公の話を元にした主張だから正当性があること、また、本能寺の変の後の織田信長の敵討ちとして明智光秀を討ち取るまでの秀吉と勝家のアクションの比較などを図解して示すことで、参加者にも説得力ある見解として受け止めてもらえるという設定にしました。この補足資料の準備が重要なのです。ここでポイントなのは、プレゼンよりもディスカッションのウエイトが合意形成においては大きいことです。 プレゼンは現状の情報共有です。それを踏まえて今後のアクションをどうするかを議論して決めていくわけですから、ある程度の情報量があれば意思決定に向けて双方の見解を述べて、それを補足し合うことに時間を割く必要があります。 史実では、この後、秀吉と勝家は戦をして、秀吉が天下統一に向けてまた一歩進んでいくことになりますが、ビジネスの世界では同じ社内で誰かを蹴落とすよりは、双方で納得して事柄を進めていくことが重要です。 相手にも理解して納得してもらえるように、腹落ちする補足資料を準備しておきましょう。 ■彼を知り己を知れば百戦殆からず 3 相手のことを知る準備 議論をする上で決め手になるのは、相手のことをどれだけ知っているのか。 相手の立場で物事を考えるのはわかるのですが、なかなか相手の立場に立つのは難しいですよね。そこで参考となるのがハーマンモデルです。 考案者は、アメリカのネッド・ハーマン(1922~1999)。彼がゼネラル・エレクトリック社の人材開発部門にいた時に、「社員1人ひとりの脳の個性を理解することで、ビジネスの発展に貢献したい」という思いから、「社員の思考の傾向」を数百人のサンプルから分析してモデルを構築しました。 このハーマンモデルのよいところは、4つのタイプで判断するため、複雑でなくシンプルで覚えやすいところです。