橋下徹氏「国家の背骨を揺るがす大問題」岸田首相から「裏金質問なし」の森喜朗氏インタビューに
大阪府知事や大阪市長を務めた弁護士の橋下徹氏は12日、フジテレビ系「日曜報道 THE PRIME」(日曜午前7時半)に出演し、自民党派閥の裏金事件をめぐり、かつて安倍派の前身、森派会長を務めた森喜朗元首相が月刊誌「文芸春秋」6月号のインタビューで、岸田文雄首相から裏金づくりに関する詳細な質問はなかったと答えたことに言及した。 【写真】唇をかみしめ厳しい表情の岸田首相 森氏は10日発売の文芸春秋で裏金問題の経緯をめぐり、今年4月初旬に岸田首相から電話聴取を受けた際に「岸田首相から安倍派の裏金づくりに関する詳細な質問はなかった」と主張。一方、首相は取材に「森氏の具体的な関与は、確認できていないと申し上げてきた。この発言は変わることはない」と強調している。 橋下氏は森氏のインタビューの発言について「国家の背骨を揺るがすような大問題だと思っている。森さんは、岸田さんが(安倍派の裏金問題について)確認したというその日の電話では、お金の問題については聴かれていないと言っている。一国の総理が、国会でも野党からの追及にも『確認した』と、言ったわけでしょ? もし確認していないということになったら、岸田さんがうそをついたことになる」と指摘。「だから森さんは国会に呼んで、この話を聴くべきではないですか」と、国会招致の必要性を指摘した。 一方、リモート出演した国民民主党の玉木雄一郎代表は「自民党の公式のヒアリングでも裏金は20年くらい前から始まっているということで、当時の派閥トップは森元総理。きちんと(国会に)来てもらって話してもらうことが必要だが、この事件発覚から約半年がたとうとしている中、まだこんなことをやっている。真実に迫るすべを持っていないからだ」と指摘。「自民党が自分で(調査を)やるから出てこない。独立した第三者機関を作ると与野党で、合意すべきだ。当事者に任せていては何も出てこない」とも訴えた。 これに対し橋下氏は「安倍派の幹部、五人衆とか言われている人たちが、場合によっては国家を運営するような人たちが、(インタビューで)ジャーナリストが聞いたようなことをなぜ森さんに聞けないのか。そんなので日本の政治、大丈夫かと思いますよ」と、苦言を呈した。 野党はかねて森氏の国会での証人喚問を求めている。一方、森氏は同インタビューで「もし国会に呼ばれたら『森が裏金づくりを始めたと言っているのはだれなんだ』と言いたい」と、主張している。