森且行、心の支えにする「SMAPの名曲」…グループ脱退から28年、今も歌詞を口ずさむ
「ファンがいなくても」って。それは間違いだった
――ファンの存在についても聞かせてください。本編にもリハビリ中にファンから届いた応援の手紙などが映し出されていました。ファンに対しての気持ちに変化はありますか? 森:芸能界にいたときは、応援してもらうのがすごく嬉しくて、コンサートでうちわを持ってくれている姿なんかを見ると、最高に気分が良くて。でもオートレースって、応援してもらっても結局は自分が勝たなかったら賞金も入ってこない。 だからレーサーになったとき、ちょっと生意気だったのかな、一度、何かのインタビューで言っちゃったんです。「ファンがいなくても、強くなればそれでいい」って。 でもそれって、やっぱり全然間違いで。ファンがいてくれないと力も出ない。応援してくれる人がいないと、速く走れないんです。 ――当時の森さんにとっては、自分を奮い立たせようとする言葉だったんでしょうね。 森:そうですね。強くなれば、ファンは付いてきてくれるだろうという考えだったんだと思います。今思うと、ほんと生意気なことを言ったなと。 ――それでもファンはついてきてくれた。 森:そう、ありがたいことに。ケガして2年3か月も走ってなかったら、やっぱりちょっとは気持ちも薄れてくるじゃないですか。でも「待ってますよ」ってみんな言ってくれて。感謝しかないです。 そこに穂坂監督が現れてくれて、テレビ(TBS系列『情熱大陸』)で僕の頑張っている姿を映しだしてくれた。ファンにとっては、穂坂監督は神様的存在ですよね。
自分に発破をかけるのはSMAP名曲にも登場の言葉
――この映画で、昔からのファンも改めて繋がれる気持ちになれるのでは。 森:そうなってくれればね。この映画を観て、ファンの方がどう思うか分からないけれど、少しでも何かを感じてもらえたなら、僕は最高です。 ――最後に、今もリハビリを続けながらレースに挑んでいる森さんですが、ご自身に発破(はっぱ)をかけるときは、どんな言葉をかけていますか? 森:「腐るな」と言います。 ――今も昔も? 森:そうですね。レーサーの先輩にも言われたんですけどね、「且行、この世界、腐ったらおしまいだぞ。だから絶対腐るなよ」って。歌にもあるじゃないですか。「腐ってたら もうそこで終わり」って。ね! <※SMAP、シングル曲『オリジナル スマイル』より> ちなみに、なんとこのあと森さんは「オリジナル スマイル」のサビを口ずさみながら颯爽と歩いていったのだった! <取材・文・撮影/望月ふみ> (C)TBS ドキュメンタリー映画『オートレーサー森且行 約束のオーバル 劇場版』は11月29日(金)より新宿ピカデリー、角川シネマ有楽町他にて全国公開 【望月ふみ】 70年代生まれのライター。ケーブルテレビガイド誌の編集を経てフリーランスに。映画系を軸にエンタメネタを執筆。現在はインタビューを中心に活動中。@mochi_fumi
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