森且行、心の支えにする「SMAPの名曲」…グループ脱退から28年、今も歌詞を口ずさむ
命も危ぶまれた大ケガから奇跡の復帰。1着を飾るも涙は見せず
――2023年4月6日、復帰戦を1着で飾りました。日本選手権には涙がありましたが、復帰の1着の際は笑顔でした。次を見据えていたからでしょうか。 森:日本選手権で僕はレースで初めて泣いて、もう「二度と泣くものか」と心に決めていたんです。「復帰しても、絶対泣かないぞ」と。自分のことでは泣かない、絶対に我慢しようと。そう決めていたんです。 ――そうだったんですね。 森:でも泣きそうでしたよ。堪えました。ここで泣いたら次がないと思って。 復帰戦って、特別なものだけれど、優勝ではないし、ここで泣くようなメンタルだったら先には行けない。グッとこらえて。 オーバル(レース場)に帰ってこれた瞬間ではあったので、ヘルメットを脱ぐまでは本当にやばかったですけど、脱いだ瞬間、目をパシパシっとやって涙が出ないようにしてました(笑)
仲良しの兄、「弟、全然ダメじゃん」と周囲に言われたことも
――本編には森さんの兄・久典さんもたくさん登場しています。「弟はアイドルとオートレーサー、両方の夢を叶えてくれた」と話していますね。 森:兄貴はね、めちゃくちゃ僕に優しいんです。 でも僕の成績が悪いときには、兄貴も「弟何やってんの」「弟、全然ダメじゃん」みたいなことを周りから結構言われたらしいんです。だから兄貴や兄貴の友達、周りのためにも日本一にならなきゃと思っていました。 ――幼少期のご苦労も明かされます。おふたりの思い出の公園にも行かれていました。一緒にオートレースごっこをしていたと。 森:でも兄貴は、本当はそれほどオートレースごっこを好きじゃなかったんじゃないかな。 僕のために付き合ってくれていたんじゃないかと思います。なんども転校していて、なかなか友達もできないなかで、兄貴が一番の友達でした。 学校の子たちに「オートレースごっこしようぜ」なんて言っても、実際にレースを観たこともないし、理解もしてくれない。でも兄貴は一緒に観たことがあったし。いろいろと付き合ってくれましたね。 いまでも本当に仲がいいんです。顔も似てるし体型も一緒だし。歩いてる姿を後ろから見たら見分けがつかないんじゃないかな。実際、高校のときなんか、同級生が兄貴に向かって、僕の名前を呼ぶことが何度もありましたからね。