テレ朝の大改革「ドラえもん」「クレヨンしんちゃん」移動は好手か?「Mステ」は?
テレビ朝日が、秋の改編で金曜日のゴールデンタイム(午後7~10時)の大改革に乗り出すことが話題となっている。10月の改編から、これまでテレ朝の看板アニメとして長年子どもたちに親しまれてきた「ドラえもん」と「クレヨンしんちゃん」を両方とも金曜夜から土曜夕方に移動させることを発表。また、金8枠(金曜午後8時)でやはり長年に渡り親しまれた「ミュージックステーション」を9時台に移動、空いた8時台には現在水曜深夜に放送されている「マツコ&有吉 かりそめ天国」を投入する。視聴習慣が定着していると思われる週末のひとときにバッサリ、思い切った改革を実施するが、功を奏するか。
アニメは格下げ?視聴者から戸惑いの声も
10月5日から土曜午後4時30分に引っ越しを発表した「クレヨンしんちゃん」公式ツイッターでは22日、「10月からの土曜夕方《アニメタイム》は、週末の極上のご褒美になること間違いなし! お見のがしなく~♪♪」と、同時に金曜から土曜午後5時に移動する「ドラえもん」の絵もつけて元気満々のツイート。 しかし視聴者からは、「今まで通りが良い。(金曜夜は)子どもたちが学校から帰って家族みんなが1週間の疲れを癒やす団らんだったのに、土曜の夕方では家族でお出かけや習い事のある子たちもいて見れない人が増える」といった、「金曜夜なら観れたが土曜夕方では厳しい」といった声も上がっている。また、従来の金曜夜7時台は「子どもたちのゴールデンタイム」のイメージが定着しており、突然の発表に「アニメが格下げになったような気がする」「子どもたちからゴールデンを取り上げて代わりに何を入れるのか」など、戸惑う声も見られる。
功を奏するかバラエティータイム、アニメタイム
「週末のゴールデンをいじるのは思い切った改編といえますが、近年、ネット配信なども定着してきて視聴者の視聴習慣は劇的に変化しつつあります。テレ朝としては6月27日付で亀山慶二新社長が就任したこともあり、新手を打つ好機ということではないでしょうか」と話すのは、スポーツ紙の40代男性記者。 また、「土曜への移動はアニメの格下げや子ども軽視ではないのでは?」と分析する声もある。 「テレ朝によれば、秋のアニメ枠改編については『今の時代の子どもたちのタイムスケジュールに合わせて、じっくりテレビを楽しめる土曜夕方にアニメタイムを新設した』とのことで、内容的にも『ドラえもん』に新オープニングなどのリニューアルも行われる予定となっています。アニメを格下げしたいということではなく、金曜夜はバラエティータイムにするなど全体の改編を考案する中での、あくまで総合的な判断によるものだと思います」と、テレビ情報メディアの30代男性ライターは話す。 当然のことながら、放送時間帯が変われば、リアルタイム視聴という面では、それまで観ることができていた視聴者が観ることが困難になったり、逆に新たな視聴者が流入することも考えられる。そこで「これでは困る」「かえって観れるようになった」と意見が錯綜するのは仕方のないことかもしれない。 「ミュージックステーション」は曜日こそ金曜で変わらないが、夜9時に移動、1時間“後ろ”となる。テレ朝の金8枠といえば、70年代から80年代半ばにかけては「ワールドプロレスリング」が“顔”だった。しかし86年からはその枠を「ミュージックステーション」が見事に引き継いだ。その伝統の枠を、今後はバラエティーが担う。午後7時からはアニメの代わりに「ザワつく!金曜日」が入るため、金曜夜は大人向けのバラエティータイムとなり、代わりに土曜夕方が子ども向けのアニメタイムとして設定された形だ。 この改編、果たして吉と出るか? 秋の週末に注目が集まる。 (文・志和浩司)