”散歩する気ゼロ?マッサージで完全リラックスした犬の心理|獣医師解説
飼い主さんの手は優しい。 写真はX(旧Twitter)ユーザー@kawaiyanさんの愛犬、柴の碧海ちゃん(取材当時6才)です。「おーい、散歩行くよー」というコメントが添えられた今回の投稿。しかし、碧海ちゃんは飼い主さんにマッサージされて、まったく散歩へ行く気配がありません。 【写真】ゴロン。マッサージしても起きない碧海ちゃん 「いま、それどころじゃない」気分の碧海ちゃんはすっかり散歩する気がなくなってしまい、マッサージを堪能するのでした。幸せそうな碧海ちゃんについて、飼い主さんにお話を伺います。
「散歩に行くよ」と誘うといつも逃げ込む
飼い主さんによると、このマッサージはまったく立ち上がる気配のない碧海ちゃんの機嫌を取るために行ったものだそう。飼い主さんが「散歩に行くよ」と声をかけると、いつもケージの奥へ逃げ込むので、ゆっくりケージから引っ張り出して気分を上げていたようです。 そのため飼い主さんの心のなかには、「あ~今日もですか? 困った碧海ちゃん」という思いがあったのだとか。一旦リードをつけてしまえば散歩モードになるのですが、それまではケージの奥に逃げられてしまうそうです。
なぜ、気分を上げるためにマッサージを?
飼い主さん: 「ドッグトレーナーさんに仰向けになってごろんするコミュニケーションはしつけに重要と聞いてから、毎日『仰向けごろん』をして、そのままマッサージをしてあげています」 まったく立ち上がる気配のない碧海ちゃんが甘える目で見てきたので、このときはいつものようにマッサージをしてあげたそうです。 しかし、そんな飼い主さんの思いを知らない碧海ちゃんは、散歩のことをすっかり忘れてくつろぎモードに。困った状況に陥ってしまうのでした。
【獣医師解説】マッサージされて散歩行く気ゼロになった犬の心理
ここからは、碧海ちゃんの行動から読み取れる心理や、犬が散歩に行きたがらない場合の対処法について、いぬのきもち獣医師相談室の原駿太朗先生に解説していただきます。 ――散歩に行く気分を上げるために飼い主さんがマッサージをしたところ、散歩のことをすっかり忘れてくつろぎモードになってしまった碧海ちゃん。この行動から、碧海ちゃんのどのような心理が読み取れますか? 原先生: 「くつろいでいる様子から、飼い主さんとのスキンシップを非常に心地よく感じているように思えます。碧海ちゃんにとっては、散歩より飼い主さんとの触れ合いが大事なのかもしれませんね」 ――碧海ちゃんは飼い主さんが「散歩に行くよ」と誘うと、いつもケージの奥へ逃げ込むそうです。愛犬が散歩に行きたがらない場合、飼い主さんはどのような対応をすべきでしょうか? 原先生: 「おやつなどを使って、少しの時間でも楽しみながら自然とお散歩に行けるようになれるといいですね。ただ、無理に散歩に行くことを目的としなくても、排泄がしっかりと室内でできるようなトレーニングをしたり、室内でも積極的におもちゃなどで遊んだりして、運動不足にならないようにするのもいいかもしれません」 お散歩に行きたい飼い主さんの気持ちとは裏腹に、すっかりリラックスモードに入ってしまった碧海ちゃん。それだけ、マッサージをとおした飼い主さんと触れ合う時間が、心地のよいものだったのかもしれませんね。 写真提供・取材協力/@kawaiyanさん/X(旧Twitter) (監修:いぬのきもち獣医師相談室 獣医師・原駿太朗先生) 取材・文/宮下早希 ※この記事は投稿者さまに取材し、了承の上制作したものです。2024年10月時点の情報であり、現在と異なる場合があります。
いぬのきもちWeb編集室