日産・ゴーン元会長の「切り取り会見報道」に感じた違和感! 日本愛は健在? 「お勧めは日産パトロール」とも 注目発言5選とともに考える
経営統合に挑むホンダの試練
残る発言は三つだ。 ●発言3「ホンダは他社と経営統合した経験がない」 ホンダはこれまで、他の自動車メーカーとの提携を避け、独自の道を歩んできた。そのため、統合はホンダにとって未経験の挑戦だとゴーン氏は述べていた。ルノーからコスト削減のために日産に乗り込んだ経験をもとに、経営統合の過程で数々の困難を乗り越えたゴーン氏ならではの発言で、現実味と説得力があった。また、この経験を根拠に統合はうまくいかないと断言する意見もあったが、ホンダ主導で進められる統合が円滑に進むかどうかは疑問が残る。 ●発言4「両社が持つ技術力への誇りと調整の困難さ」 両社はともに技術力に誇りを持っており、お互いのプライドが経営統合後の調整を難しくする可能性があると指摘された。技術力への誇りや企業文化の違いは、単なる経営統合の課題にとどまらず、グローバル企業としてのあり方そのものに関わる問題だともいえる。確かに、 ・技術の日産 ・挑戦のホンダ がうまく融合するには、かなりの時間がかかるかもしれない。これまでにも、三菱自が得意とする四輪駆動やプラグインハイブリッド車などの技術を日産が積極的に活用しようとする動きは見られなかった。統合の過程では、意見の対立や技術的な優位性を巡る議論が絶えない事態が想定される。 ●発言5「強いリーダーシップの必要性」 経営統合を成功させるためには、明確なビジョンと強力なリーダーシップが必要だとし、リーダーの選定が統合成功の鍵であることを強調した。この発言は、日本企業に対する期待や課題を再認識させるものだ。リーダーシップの重要性についての指摘は、日産の再建を指揮した自身の経験に基づいており、その言葉には説得力があった。 ホンダ、日産、三菱自による共同会見でも、各社の社長から強いリーダーシップは感じられず、会見は淡々と進んでいた印象を受けた。統合を成功に導くためには、強いリーダーシップを発揮し、統合を率先して指揮する経営者としてのカリスマ性が求められる。