屋良朝幸&中川晃教の“名バディ”再び! 伝説のミュージカル『SONG WRITERS』から始まったふたりの絆
10年を経たふたりの“分かり合ってる”さまにキュンとする?!
――そんなおふたりの出会いの作品であり、転機となった『SONG WRITERS』。役柄としては、屋良さんが作詞家のエディ・レイク、中川さんが作曲家のピーター・フォックス。ふたりでブロードウェイにかけられるミュージカルを作ろう! という、幼馴染のクリエイターコンビですね。キャラクターとしての見どころを教えてください。 屋良 エディは自信過剰で、自分の作るものに対しても絶対の自信がある。そんな彼が、自分の作った物語世界の中に入っていっちゃって、物語のキャラクターや、現実でもピーターや歌手のマリーと関わる中でちょっと自信喪失したりもして……。すごく作中で変化し、成長するキャラクターなのでそこは楽しいところです。あとはパフォーマンスが華やかでとってもエンターテインメント。今回の演出がどうなるかはまだわかりませんが、アクションもダンスもあると思うので、そんなところも楽しんでいただけると思います。 中川 僕の演じるピーターはエディと逆で、気弱な青年です。でももしかしたら、エディという人間がいるから気弱でいられるのかも。もしエディがピーターの人生に現れなかったら別の性格だったんじゃないかなと思うくらい、エディが僕の傘になってくれている。エディがいなかったら生きていけないような気弱さもあります。でもエディの物語の中に入っていくことで……つまり彼はエンターテインメントを作っているわけなので、その中で歌ったり踊ったりする。ある意味、音楽を体現できるキャラクターでもある。踊りが得意なわけじゃないけれど、抜群に踊れるエディと対等に踊らせてもらえるのは役得ですね。 屋良 そこそこ踊ってるよね。 中川 同じ振付を踊ってるのはおかしいと思う……。 屋良 それ、10年前も同じこと言ってたね(笑)。 ――三度目の上演ということで、それだけ愛されている作品です。作品としてはどんなところが魅力ですか。 中川 僕はこの作品、ニューヨークを舞台にしているところが面白いと思っていて。僕らはブロードウェイで最高のミュージカルを作ってヒットさせようとしているコンビでしょ。僕らの居方次第で、そこがニューヨークに見えなければいけない。で、僕自身はともかく、エディを演じる屋良っちを見ていると、そこがスタイリッシュなニューヨークに見えてくる。一方で非現実の世界にも入っていくところが面白くコミカルに描かれていたりもするんだけど。なんかこの組み合わせが、僕は好きだなあ。 屋良 俺はやっぱり音楽の良さが魅力かな。雪さん(森雪之丞)の詩と、色々な人が担当してくださった音楽がそれぞれいい。アッキーも何曲か書いてくれてるよね。 中川 冒頭の『鎮魂歌』と、2幕の『現実の国で夢見る人』。 屋良 『現実の国で夢見る人』! あの曲最高。最後にふたりで歌うんだよね。 中川 楽屋で昼夜公演のあいだにふたりで練習した音源が、実はスマホに残ってたんだよ。(音源をかける) 屋良 うわ、なんで録ってるの(笑)。……俺たちちゃんと練習してるね、偉いね。 ――おふたりの声質、合いますよね。 中川 それ、初演の時も、再演の時も言われました! 僕ら、声が合うって。 屋良 ありがたいことです。 中川 屋良っちのソロ曲って何だっけ? 屋良 俺、実はソロ曲ないんだよ。アッキーとデュエットしてたり、マリーと歌ったりするけど。ソロはないの。 中川 じゃあ俺が書くよ! 足してもらおうよ! みんな聴きたいでしょ? 屋良 いい、いい。ソロ“パート”は山ほどあるから(笑)! アッキーは恐竜の歌があるよね。 中川 うん『Dinosaur in my heart』。親友が僕の大好きな女性とキスしているのを見て歌う嫉妬の歌(笑)。 屋良 めちゃめちゃいい曲! ……タイトル、すごいけど(笑)。 ――屋良さんのソロ曲が足されるのかはさておき、まずは約10年ぶりにエディとピーターが帰ってくるのを楽しみにしています! 屋良 この10年で色々な経験をしてきましたから、おのずとパワーアップするはずです! 俺らふたりももちろんだし……(武田)真治さんとかもめちゃくちゃパワーアップしてそうだよね。 中川 間違いない(笑)。僕らも、掛け合いはパワーアップしてるよね、きっと。初演は屋良っちから「ぅおい!(そっちかーい!)」みたいな箇所がいくつかあったけど、そこは「うんうん、こうくるよね、分かってたよ」と変化したりもするかも。その“分かり合ってる”さまに、お客さまが「キュン」となさるかもしれませんね(笑)。 屋良 冒頭のシーンなんか、けっこう……遊べそうだよね。 中川 イケそう。 屋良 稽古場でも、どんどんお互い出し合っていけるんじゃないかな。そうやって作り上げていきたいね。 中川 すでに楽しみだよ! 〈あらすじ〉 1976年のアメリカ。自信過剰な作詞家のエディ・レイク(屋良朝幸)と、気弱な作曲家のピーター・フォックス(中川晃教)の幼馴染のふたりは、自分たちの作ったミュージカルがブロードウェイでヒットすることを夢見ている。エディが書いているのはマフィアのボスや内通者の刑事たちが繰り広げる裏社会の物語。そんな彼らのもとにある日、音楽出版社のディレクター ニック・クロフォード(武田真治)がやって来て、ふたりの曲をボスが気に入ったと言う。ただし契約の条件は書きかけのミュージカルを1年以内に完成させること、そしてそのミュージカルにふさわしいディーバを見つけること。偶然にも女優の卵で素晴らしい歌声を持つ女性マリー・ローレンス(実咲凜音)と知り合い、契約に近づいたかに思われたが……。 取材・文:平野祥恵 撮影:杉映貴子 ヘアメイク:(屋良朝幸)大平真輝・(中川晃教)松本ミキ スタイリスト:(屋良朝幸)柴田拡美(Creative GUILD)・(中川晃教)Kazu(TEN10) 衣装(中川晃教):ジャケット ¥126,500・パンツ ¥48,400 /共にNEW ORDER(シアンPR TEL03-6662-5525)・その他スタイリスト私物 <公演情報> ミュージカル『SONG WRITERS』 作・作詞・音楽プロデュース:森雪之丞 演出:岸谷五朗 音楽監督・作曲:福田裕彦 作曲:KO-ICHIRO(Skoop On Somebody)、さかいゆう、杉本雄治、中川晃教 出演:屋良朝幸 中川晃教 実咲凜音 相葉裕樹 青野紗穂 蒼木陣 東島京 コング桑田 武田真治 ほか 【東京公演】 2024年11月6日(水)~11月28日(木) 会場:シアタークリエ 【大阪公演】 2024年12月7日(土)・8日(日) 会場:森ノ宮ピロティホール 【愛知公演】 2024年12月11日(水) 会場:Niterra日本特殊陶業市民会館ビレッジホール