ヒョンデ「IONIQ5N」モータースポーツで培った技術を体感できる高性能EVだった
韓国の現代自動車(ヒョンデ)の電気自動車(EV)「IONIQ(アイオニック)5N」に試乗した。昨年2月に紹介した「IONIQ5」の高性能モデルで、自動車レースにも出場できる仕様になっている。Nはヒョンデの高性能モデルに付けるブランドで、日本市場での販売は初めて。実際の運転ではモータースポーツで培った技術の一端を体感でき、好感度の高いクルマだった。 【動画】ヒョンデの高性能EV「IONIQ5N」
ヒョンデは2015年から、研究開発拠点を韓国・南陽(ナムヤン)、開発テスト地はドイツ・ニュルブルクリンクにおいており、テスト地名に由来してNと名付けている。サーキット(競技用の環状コース)名でもあり、耐久レースのニュルブルクリンク24時間レースなどが開催されている。
最高出力650馬力、「IONIQ5」の約4倍
「IONIQ5N」は、名称こそ「IONIQ5」と同じだが、まったくコンセプトが異なるクルマになっている。最高出力は478kW、650馬力だ。「IONIQ5」の最高出力が125kW、170馬力なので、約4倍の差がある。
ヒョンデがモータースポーツに乗り出したのは1998年で、現在は世界ラリー選手権(WRC)などに参戦している。2022年のラリージャパンでは1、2位というワン・ツーフィニッシュを成し遂げている。このクルマにはモータースポーツで培った技術を投入している。
ガソリン車のように排気音を出す機能、反応の良さが心地よい
実際に運転してみると、このクルマのすごさを実感する。
前輪と後輪にモーターを搭載する四輪駆動方式で、後輪モーターの方が高い出力を持つ。バッテリーは84kWhの大容量で、車体の総重量は2トンを超える。
アクセルペダルを踏み込んでいくと、反応よく加速した。EVなので、ガソリン車のように排気音(エキゾーストノート)は本来ない。だが、疑似エキゾーストノートの設定がある。音はガソリン車のようなタイプ、ゲームの効果音のようなタイプ、超音速機のソニックビームをイメージしたタイプの3種から選ぶことができる。
他社にも同様の機能がついたクルマはあるが、このクルマは音のズレなどもなく、ペダルとエンジン音の反応差などが実に自然で、心地よい響きだった。