記者が見た能登の現実 高齢女性「父ちゃんが下敷きに、『死ぬわや、死ぬわや』と」 救出の一方、手付かずの現場も…瓦礫前に立ち尽くす家族 圧倒的に足りない重機
能登半島地震ではこれまでに202人が死亡、102人が安否不明となっています。FNN取材団として地震直後から7日まで現地で取材した記者の報告です。 NBS宮原將樹記者: 私は被害の大きかった珠洲市、輪島市などを取材しました。多くの建物が倒壊し、救助活動が行えていない現場も多く今も被害の全容はつかめていない状況です。
金沢から珠洲で車で6時間以上…
被害の大きかった珠洲市や輪島市は多くの建物が倒壊、断水や停電も続き、もちろん宿泊施設は営業していませんでした。私たちは金沢市内で宿泊し、毎日、現地に向かいました。 道路も多くが被災し、通常、金沢から2時間程度で行けますが、渋滞などもあり、6時間以上かかりました。
被災住宅が道を塞ぐ
(記者リポート) 「住宅が倒壊し骨組みがむきだしになっています。また近くの住宅もほとんどが倒壊していて道路は通れない状況です」 珠洲市内に入るとほとんどの建物が倒壊し道を塞いでいました。
高齢女性「父さんが下敷きに」
自宅の倉庫を片付ける86歳の女性。地震直後に自宅が倒壊しましたが、何とか窓から逃げ出したということです。 ただ、88歳の夫が下敷きとなりました。 自宅が倒壊した女性: 「父ちゃんが下敷きになって『死ぬわや』『死ぬわや』と。声だけかすかに聞こえてどこにおるか分からんかったです」
たまたま消防が近くにいたため、夫は4時間後に救助され、大きなけがはなかったということです。 自宅が倒壊した女性: 「(夫は)この穴から出てきた。本当に消防の人のおかげ」
立ち尽くす住民…
消防や警察の懸命の救助活動は続いていますが、道が悪く重機が入れなかったり、救助隊の人数が足りなかったりして、現在もほとんど手つかずの現場もあります。 倒壊した住宅の前に立ち尽くす住民。地震から4日たっていましたが、世帯主の高齢男性と帰省していた女性の2人が下敷きとなったままでした。 市内の別の地区から駆け付けたという男性は、涙をふきながら「早く助け出してあげたいが、自分たちでは何もできない」と語っていました。 救助、捜索活動のためには重機や大型車両が必要ですが、珠洲市では圧倒的に足りていません。