「避難情報早くなった」、気象防災のスペシャリスト雇う自治体は効果実感も…活用全国に広がらず、なぜ?
「いてくれれば良いが、防災よりも差し迫る課題の方に予算が付きやすい」 「災害対応時はウェブ会議で気象台と連携を取っており、アドバイザーは必要ない」 「気象台と密に連携しており、それで十分だと考えている」 気象庁が2022年度に実施したアンケートでは、全国で6割弱の自治体が「活用する意向はない」と回答していた。 この自治体と、「活用する意向はあるができていない」とした自治体がアンケートで挙げた理由は「予算の確保が困難」が最多の58%だった。次いで「依頼できる業務の内容がよく分からない」が54%。財源的な制約や仕組みの周知不足がハードルになっているようだ。 ▽気象庁「メリット伝え切れていない」 気象庁は、自治体にアドバイザーの活用を試行してもらう事業を行うなど任用の拡大に力を注いでいる。気象庁の担当者はこう語った。 「アドバイザーは自治体目線で防災対応ができる。だが、そのメリットを伝え切れておらず、具体的な好事例を示して任用を働きかけたい。人材不足の課題もあり、中長期的に育成に取り組んでいきたい」