「本家と全然違う…」けど秀逸アレンジにビックリ!ファミコン「アーケード移植」の“神作”
■首切り投げがしたかった……! よりドラマチックな演出が目を引く『忍者龍剣伝』
テクモが1988年にリリースしたアーケードゲーム『忍者龍剣伝』。横スクロールのベルトスクロールアクションで、攻撃とジャンプ、そしてレバーの上部についた“握るボタン”という3ボタンを駆使して戦う、変わったゲームでした。 なにより特徴的だったのは「フジヤマ」「ゲイシャ」「スシ」「サムライ」的な、西洋人が勘違いしたような日本という独特の世界観。ステージ間には、寿司店で腕組みする忍者や、カジノで豪遊する忍者といった、思わずクスッとさせられるシーンが描かれています。 そんな『忍者龍剣伝』のファミコン版は、アーケード版のリリースからわずか2か月後に発売されます。こちらは同じ忍者が主人公でありながら、章の間にシリアスでドラマチックなストーリーが展開される横スクロールアクションでした。 発売タイミングを考えると、移植作というより同名の別タイトルだったのかもしれません。しかし、ファミコン版『忍者龍剣伝』はかなり難易度が高めながら、三角飛びなどの忍者らしいスタイリッシュなアクションを駆使して戦う、完成度の高い作品に仕上がっていました。 筆者も当時、難しいファミコン版を四苦八苦しながら楽しみましたが、アーケード版のように空中で投げる「首切り投げ」があればなぁ……と思ったものです。 ハードの性能的に、アーケードゲームを忠実にファミコンに移植するのは不可能なことです。だからこそ、どこを活かすのか、どのようにアレンジするのかは、クリエイターの腕の見せどころだったのでしょう。 今回紹介した素晴らしい移植ソフトは、「Nintendo Switch Online」で遊べたり、比較的中古品が入手しやすかったりするものばかりなので、当時食わず嫌いをしていた人も一度プレイしてみることをおすすめします。
山口和則