「本家と全然違う…」けど秀逸アレンジにビックリ!ファミコン「アーケード移植」の“神作”
■肘打ちが使えない? アレンジされつつも歯応えのあるアクションを実現した『ダブルドラゴン』
“ベルトスクロールアクションの雄”として知られるテクノスジャパンが開発を手がけ、1987年にリリースされた大ヒットアーケードゲーム『ダブルドラゴン』。同作のファミコン版は1988年に発売されました。 アーケード版でリアル等身だったキャラクターは、ファミコン版ではデフォルメキャラに。さらにキャラクターが使える技は、敵を倒してレベルアップすることで解放されるというRPG的な要素が追加されています。 そしてアーケード版には“肘打ち”という超強力な技があり、これを当てるだけでクリアできるほどの威力。それがファミコン版ではレベルアップしないと使うことができず、使い勝手まで悪化したこともあって、がっかりしたアーケード版のファンもいたはずです。 しかし、ファミコン版では肘打ちに頼れない分、さまざまな技を使いこなす必要があり、そのことでアクションゲームとしての本質が一層楽しめます。強敵は投げて崖から落とすこともできますが、そればかりだと経験値が入らず、どのように倒すか悩むのもおもしろい部分でした。 またアーケード版の醍醐味である2人同時プレイもできませんが、それを差し引いてもファミコン版『ダブルドラゴン』は遊びごたえのある秀逸な移植作品といえるでしょう。
■遊んでみると“らしさ”が感じられた『源平討魔伝』
『源平討魔伝』(ナムコ)といえば、ダークな雰囲気の美麗グラフィックで描かれた巨大キャラが動き回り、特徴的なボイスでもファンを沸かせたアーケードゲームです。その重厚な和風プログレサウンドは、ナムコファンだけでなく、多くのゲームファンの度肝を抜きました。 そんなアーケードを代表する傑作アクションが、ファミコンに移植されることに驚いたファンも多いはず。しかも、まさかの「ボードゲーム+RPG」に変貌を遂げ、二重の意味で衝撃を受けました。 九州から鎌倉まで日本を縦断し、源頼朝を倒すという目的こそ同じものの、「サイドビューモード」「ビッグモード」「平面モード」という3タイプのアクションが楽しめたアーケード版とは、完全に別物に。ファミコン版は、シンボルエンカウント方式のRPGに生まれ変わったのです。 当初は「さすがにこれは……」と想定外の移植内容にがっかりしたものですが、遊んでいるうちにおもしろいRPGだと気づきます。ちなみにファミコン版にはボードゲーム用の地図やメタルフィギュアなどが同梱され、入手した三種の神器のカードを手元に置けば状況がすぐに分かるという優れものでした。 もちろん付属品がなくてもきちんと遊べるので、当時ファミコンの移植版を敬遠してしまった人も、あらためてプレイしてみてはいかがでしょうか。