「意欲」をもって行動すれば、すべてがよくなるという研究結果
「意欲をもって全力を尽くすこと」の素晴らしさ
著者は、「意欲のある人間のほうが幸せになり、いっそう成功するかどうか?」ということについて、協力者を得ながら実験したことがあるのだそうです。 たとえばある実験では、幸福度を高めたい人を募集すると明言し、「あなたは幸せになりたいですか? これこそが、そんなあなたのための実験です」と参加者を募り、一般的な心理学の実験に参加した人と比較したというのです。 その結果は特筆すべきものでした。定期的に「感謝の手紙」を書くことを求められた場合も、「最高の自分像」についての記録をつけることを指示された場合も、意欲のある参加者の幸福度は目覚ましく高くなったのです。一方、意欲がなかった参加者の幸福度はわずかに高くなっただけか、変わらないかでした。(361ページより) また、「幸福」に関する他の実験においても、感謝を示すことや楽観的になることを参加者に実践してもらったところ、同様の結果が出たのだといいます。 つまりここからわかるのは、なにかをしようという意欲があればあるほど、人はそのために努力をするものだということ。 ちなみに「意欲」のあった参加者は、実験が終わったあとも幸福度が高まるための行動をとり続け、自分の人生に取り入れ、長期的にその恩恵を手にする傾向が見られたそうです。 ここからは、努力も挑戦もせず、目的もなければ、失敗やためらいがあるだけだということがわかります。(360ページより)
忙しすぎるときはどうしたらいい?
「私はストレスが多くて、1日をどうにか乗り切ることしか考えられないのよ」 私が「幸せになるための行動習慣をいくつか試してみたら」とすすめたとき、あまり幸せそうでない知人がこういいました。確かに彼女はとても多忙でした。(中略)私は共感しました。 でも、人生における重要事項に関わることだとしたら、忙しすぎるからと見すごしてしまうでしょうか?(362ページより) おそらく、そんなことはないはず。だいいち、幸せになるための行動の大半は、わざわざそのために時間をつくらなければならないものではありません。それは、「自分の人生をどう生きるか」という方法にすぎないのです。 新たな視点で仕事に臨んでみたり、なにかにくよくよ悩んでいることに気づいたら気持ちをそらしてみたり、「幸福度が高まる行動習慣」はさまざま。 しかもそうした方法の大半は時間を奪うものではなく、ていねいに選びさえすれば、幾らか努力することで人生にうまく溶け込むだろうと著者は述べています。(362ページより)