「台湾を中国から切り離そうとする者は粉々に打ち砕かれる」シャングリラで見た中国の強硬姿勢…国際会議で質問無視の独演会
米中の対話継続で一定の成果 台湾や南シナ海めぐる問題は溝埋まらず
会議を主催したイギリスのシンクタンク「国際戦略研究所」は、会議に合わせ公表した報告書で、「アジア太平洋諸国は核兵器を保有する米中の意思疎通が欠如していることを懸念している」と指摘していた。 その意味では、対面で1年半ぶりに米中国防相会談が開催され、対話の継続を確認したことは、偶発的な衝突を防ぐ上で一定の成果として挙げられる。 しかし焦点であった台湾や南シナ海の問題をめぐっては、溝の深さが改めて浮き彫りになった。 米中は演説や会談のなかで、これらの問題について名指しこそしなかったものの、互いを念頭に激しい応酬を繰り広げた。 さらに中国に関して言えば、今回の会議を一歩も譲らない自国の主張を宣伝する場として利用しようとする意図さえうかがえた。 中国の海洋進出は南シナ海だけにとどまらず、尖閣諸島などの東シナ海でも脅威となっていて日本も人ごとではない。 アメリカや日本は、中国との対話を継続する一方で同盟国や友好国と連携を強化し、抑止力を高めていくことで、アジア太平洋地域の平和と安定に努める必要がある。
杉村祐太朗