「あれじゃキャッチャー、配球できないよ。変化球を真ん中、打たれてもいいから行け」緊急先発ドラ5左腕に阿部監督ド直球ゲキ
◆JERA セ・リーグ 巨人4―3ヤクルト(23日・東京ドーム) 緊急先発でアクシデントにも見舞われたが、粘りを見せた。又木が腰痛で先発回避した菅野の代役で3回1/3を5安打2失点。東京D初登板でプロ初勝利はならなかったが「(チームが)勝てたのが良かった。5回以上投げ切りたかったですが、カウントが苦しい中だったら打たれる」と振り返った。 プロ2度目の先発が決まったのは試合前の練習中。杉内投手チーフコーチから告げられた。「菅野さんの代わりというのもあったので、結構緊張しました」。先発となり早めにベンチ裏に引き揚げたが、「いつも通り」と準備への意識の変化は加えずマウンドに上がった。 初回先頭・西川の打球が右肘に直撃したが「逆に吹っ切れた部分はある」とピンチを切り抜けた。2回表終了後には、変化球の制球に苦しんでいたことからベンチで阿部監督から「あれじゃキャッチャー、配球できないよ。変化球を真ん中、打たれてもいいから行け」と助言も受け、3回は中軸を3者連続三振に仕留めた。 初勝利を目指したが無念の降板となった。指揮官は新人左腕に先発を託した理由を「度胸試しだね」と説明し、「いけるところまで、と思ったんですけどね」とピンチを背負った4回1死一、三塁で降板させた。「しょうがないよね、アクシデントで。そんな中でも頑張ってくれたので」とねぎらった。今後は救援に戻る予定。これも一つの経験とし、成長へつなげていく。(田中 哲)
報知新聞社