世界が日本の小学校教育に驚嘆した理由とは!?【映画『小学校~それは小さな社会~』山崎エマ監督インタビュー】
フィンランドで拡大公開されロングラン大ヒット!
絶賛子育て中のLEE読者の方々、これはもう必見です! なるほど言われてみれば確かに、日本の小学校教育って“誇れるもの”かもしれないと、目から鱗が落ちました。英国人の父と日本人の母をもつ山崎エマ監督は、アメリカの大学へ進学、現在日本とNYの二拠点で暮らしていますが、 “自分の強み”は大阪の公立小学校で培われたと感じているそうです。「どういうこと!?」と思われたアナタ、この『小学校~それは小さな社会~』を観れば「そういうことか!」と膝を打つハズ。 ピカピカの一年生はじめ可愛い子どもたちの姿にウルウルしたり、苦笑したり、かと思えば思春期に突入しかけた6年生の姿にキュンとなったり。自分自身の小学校時代を思い出させてもくれます。見どころ満載、「よくぞ、この瞬間の、この表情を撮れたなぁ!」と感心しきりの面白ドキュメンタリー映画です。どんな風に撮り得たのか、山崎監督に聞きました。 ●山崎エマ 神戸生まれ。19歳で渡米、ニューヨーク大学映画制作部を卒業。CNN他のTV番組や各国の映画祭で上映された作品でエディターを務める。『モンキービジネス:おさるのジョージ著者の大冒険』(17)で長編監督デビュー。第2作目は『甲子園:フィールド・オブ・ドリームス』(19)。『小学校~それは小さな社会~』の短編版が、ニューヨーク・タイムズ運営の動画配信サイトに選出され、24年11月より配信。長編3作目となる本作は、23年の東京国際映画祭でワールドプレミア上映された他、欧州最大の日本映画祭・ニッポン・コネクション(ドイツ)で最優秀ドキュメンタリー賞を受賞。北米最大の日本映画祭・ジャパン・カッツで観客賞を、韓国のEIDF(EBS国際ドキュメンタリー映画祭)で審査員賞特別賞を受賞。その他、各国の映画祭で絶賛される。 ──撮り始める前から、日本の小学校の教育システムをこんな風に肯定することになる、というのは想定内でしたか? その通りです。そもそもの意図が、世界でほとんど知られていない日本の小学校の教育制度を世界中に紹介したい、というものでした。現在は東京に住んでいますが、19歳より約10年ほどニューヨークに住んでいました。今も良く行きますが、自分の強さの基盤は小学校時代の学びがあったからだと感じています。自分の小学校時代を振り返ると、もちろん嫌なこともありましたが、大阪の公立小学校に通っていたお陰で今の自分があるな、と。私は日本の小学校が素晴らしいと思っていますし、自分の子供も日本の公立小学校に入れたいと考えています。 それを10年間言い続けて、ようやく完成にこぎつけました。本作は日本をもっと知ってもらうためのツール、中でも日本の教育に関心を持ってもらうためのツールにしたかったんです。但し、本作を観て誰もが日本の教育を肯定的に捉えるわけではなく、観て否定する人ももちろんいます。その両方が大切だと思っているので、私自身も偏ることなく、まずはオープンマインドで“ありのまま”を観察することから始めました。だからこそ長い時間、小学校に居続けたわけです。その中で自分が感じたことを、正直に入れていきました。