【MotoGP】ヤマハ、オランダGPで新型エンジンを投入。クアルタラロとリンス改善実感もTTアッセンでは効果控えめ?
6月28日に開幕したMotoGP第8戦オランダGPで、ヤマハは新型エンジンを投入した。 【リザルト】MotoGP第8戦オランダGP プラクティス結果 今シーズン、ヤマハは苦戦続きのメーカーを支援するための優遇措置対象となっており、通常なら禁止されているシーズン中のエンジン開発が認められている。 ヤマハは新型エンジンを用意し、レースの無い期間でテストを行なって評価。そして第8戦オランダGPのレースウィークに実際に持ち込んできたというわけだ。 2024年型マシンに搭載されたエンジンは、ライダーからの要求に応えてパワーを増加させたものの、YZR-M1の俊敏性を損なうこととなってしまい、ライダーには腕を酷使させてしまう問題があった。 そのため、新型エンジンではパワーを維持しつつ、より扱いやすいエンジンにすることが目指された。 オランダGP初日の走行を終えたクアルタラロは、この新型エンジンの評価として、ブレーキング時のバイクの挙動を改善を改善しており、低速コーナーでのより良いコーナリングに貢献していると語る。その一方で高速コーナーでは改善が見られていないという。 「新型エンジンは助けになるものだ。でもここではそこまでではない」 初日のプラクティスを11番手タイムで終えたクアルタラロは、そう語った。 「凄く低速になるいくつかのコーナーでは助けになっている。減速時のパフォーマンスが良くなったように感じるからね」 「でもここはセクター2まで低速になるような場所が無い。マシンを曲げて、バイクを機敏に動かせることが必要なんだ。それは最終セクターも同じだ」 「だからこの部分では僕らはロスしてしまっているんだ。でもセクター1をチェックすると、僕はかなり速いし、そこで最も改善しているんだ」 「バイクをより減速させることもできるし、少しだけどよりスピードを乗せていくことができるんだ。ただ残念なのは、高速コーナーでは、まだ以前と同じくらい良くないってことだ」 クアルタラロの語るように、彼はセクター1では速さを見せている。タイム的には、プラクティスで3番手の区間タイムだったのだ。一方でセクター2では14番手、セクター3を9番手、セクター4で11番手と、その後の区間の苦戦が11番手タイムという結果に繫がっていた。 そして今回ヤマハは、クアルタラロとアレックス・リンスの2名に、それぞれ1基ずつ新型エンジンを用意している。戻そうと思えば戻せる状況だが、クアルタラロは新型を使い続けると語った。 「使い続けるよ。コーナリングも機敏さも悪くなっていないからね」 「同じだけれど、減速時のパフォーマンスは少し良くなっている。それに低速コーナーではより旋回性が良くなった。だから2024年型の従来型エンジンを使う意味がないんだ」 「カタールからムジェロまで同じエンジンを使ってきたけど、良いと感じたのだから、変える必要がある」 なお14番手タイムだったチームメイトのリンスは「新しいエンジンで、少しコーナリングが良くなった」と語っている。 「旋回性は少し良くなった。ただライバルたちと比べるとまだ少し遠いね」 「今朝は電子制御に問題があって、僕はあまり周回を重ねられなかった。トラクションコントロールが上手く機能していなかったんだ」 「それで午後は電子制御面に少し変更を加えて、異なるアプローチをとって午前と比べると前進したよ」 「だけどまだ接近する上では十分ではない。今、僕らは予選Q2に直接進出できていないんだ。明日はもうちょっと頑張らないとね」
Lewis Duncan