〈新米は安いのか、高いのか〉コメ不足解消へすぐにできることと、これからなすべきこと
今後のコメ政策のあり方
望ましいコメ政策のあり方に関し、筆者はWedge ONLINEで以下の主張をしてきた。 (1) 価格は競争に委ね、所得は直接支払いで補うことで、経営持続を図る。 (2) 需給調整は市場の価格シグナルで誘導する。 (3) 1年1作であるコメ作の経営計画が立つように先物市場を整備しリスクヘッジを可能にする。 (4) 食料安全保障の観点から、コメの生産調整は取り止め、(1)(2)(3)によって国際市場での競争力を持たせ、輸出を増やす。今回の「コメ不足」のような緊急時には輸出を国内供給に振り替える。 これによって、生産者には経営の持続が可能となり、消費者には、高米価と生産調整に伴う財政負担(=税金の支払い)という〝二重負担〟から免れられ、いざという時の基礎食料の供給も保証される。そして、直接支払いへの政策転換に必要な財源は、現行予算の組み替えなどで捻出は可能である。 米の品薄、高価格、食料の安全保障に関する危機感、世論の<米の生産抑制政策は転換を>などの声を踏まえて、国民的議論をなすべきときが来たのでは ないだろうか。
渡辺好明