“認知症になりやすくなる”生活習慣は? 予防法について専門家が解説
認知症のリスクを高める生活習慣は?
編集部: 認知症になりやすくなる具体的な生活習慣にはどのようなものがありますか? 尾﨑さん: まず挙げられるのは、過剰な飲酒・乱れた食生活・喫煙です。これらは脳の萎縮や血流の低下、血管の詰まりに関わる要素で、乱れた生活習慣や喫煙を続けると認知症を発症しやすくなります。ほかには運動不足も関係しています。運動不足になると、肥満や糖尿病などの生活習慣病を発症する可能性があります。生活習慣病は認知症の発症原因となりますので、運動不足である人は認知症を発症するリスクが高くなってしまいます。 編集部: 生活習慣を見直せば認知症になるリスクを減らすことができますか? 尾﨑さん: 生活習慣の見直しは認知症発症リスクを減らす手助けにはなります。そのほかには、サークル活動や趣味の活動・友人とのお茶会などで人との交流を持つこともリスク軽減につながります。またむし歯などを作らないよう口腔ケアに気を付けることも効果があります。 編集部: 口腔ケアに気を付けることがなぜリスクを減らすことにつながるのですか? 尾﨑さん: 歯が不健康であると栄養価の高いものが摂取しづらくなります。低栄養状態になると脳のエネルギーが不足した状態になり、認知機能が低下してしまうので認知症を発症しやすくなってしまうのです。そのため、歯の健康を保ち、栄養バランスの良い食事をしっかりと摂取することが大切になります。 編集部: 人との交流を持つことと認知症にはどんな関係がありますか? 尾﨑さん: 人との会話や趣味を楽しむことで、脳を刺激して機能を活性化させることができます。また社会とのつながりを持っていることで孤独感の軽減やうつの予防につなげることができます。活動や集まりの場に行き来することで運動不足の解消にもなり、生活習慣病の予防につなげることもできるのです。
認知症のリスクを低減する! 介護福祉士がおすすめする認知症予防方法
編集部: 認知症予防対策について教えてください。 尾﨑さん: 毎日の生活の中で好きなことを楽しんでみることが効果的です。楽しいという気持ちを持つことで認知症の発症リスクを下げることができます。 編集部: 好きなことを楽しむことにはどんな効果がありますか? 尾﨑さん: 興味のないことや好きではないことをしても、楽しむどころかストレスになり、認知症の発症を促してしまう可能性もあります。また好きなことをすることは心の健康につながり、うつや不安感などの心理的な症状を発症しにくくなります。興味のあることに取り組むことで脳に刺激を与えることができ、脳の機能維持と認知症の発症リスクを下げることにつながります。 編集部: ほかにはどんな方法がありますか? 尾﨑さん: 人との交流が多い方は認知症を発症していても進行が緩やかになる可能性があるでしょう。人と関わることは脳によい刺激を与えることができます。また楽しいと感じ、明るい気持ちになることで心理面によい効果を与えることができます。サークル活動に参加してみたり、友人とお茶をしたりなどの交流を持つことも大事な予防法です。 編集部: 最後に、読者へのメッセージをお願いします。 尾﨑さん: 認知症の発症には普段の生活習慣が大きく関わっています。高齢者になってから気を付ければよいという考えは危険で、若い時からの積み重ねが発症リスクを下げる重要な要素になるのです。生活習慣を正すことは認知症以外の病気の発症リスクも下げることができ、後の健康に大きく影響してきます。認知症発症のリスクを少しでも減らすためにも、できることから少しずつ始めてみください。