『007/ゴールドフィンガー』への登場60年を祝し、一台限りのファントム・エクステンデッド・ゴールドフィンガーを発表
ロールス・ロイス・モーター・カーズは、1964年のジェームズ・ボンド映画『007/ゴールドフィンガー』にオマージュを捧げた、一台限りのファントム・エクステンデッド・ゴールドフィンガーを発表した。007シリーズには総勢12台のロールス・ロイスが登場しているが、映画公開60周年を記念して公開されたこの一台のインスピレーションとなったのは、同名の悪役、オーリック・ゴールドフィンガーが所有する1937年型のファントムIII セダンカ・ド・ヴィルだ。 【画像】『007/ゴールドフィンガー』にオマージュを捧げた、一台限りのファントム・エクステンデッド・ゴールドフィンガー(写真16点) ファントム・エクステンデッド・ゴールドフィンガーは、この不朽の名作のプロットや象徴的な要素にちなんだ精巧で創意工夫に富んだビスポークにより、映画のストーリーを巧みに反映している。 このビスポーク・モデルには、ロールス・ロイスがこれまで手掛けてきた1台限り作品の中でも最も高度に設計されたビスポーク仕様が盛り込まれており、それぞれが映画のプロットと関連している。フルカ峠で撮影された有名なシーンにインスピレーションを得た複雑な造形のギャラリーから、トランク内に据え付けられた、オーリック・ゴールドフィンガーがジェームズ・ボンドと初めて出会ったときに登場したゴルフクラブを彷彿とさせる黄金のパターまで、エレガントで遊び心のあるビスポークが散りばめられ、完成までに3年の歳月を要しているそうだ。 ●エクステリア 外装には映画に登場するファントムIIIセダンカ・ド・ヴィルのカラーを再現し、ブラックとイエローの「ロングサイド」ツートンデザインが施されている。21インチのディスク・ホイールにはシルバーのフローティングハブキャップが装着され、元のファントムIIIのホイールに敬意を表している。フロントには、シルバーで覆った18金製のスピリット・オブ・エクスタシー像を配置。映画で金塊を隠して密輸したゴールドフィンガーの手口を想起させる仕上がりだ。 ●インテリア センターコンソールには、映画をイメージした隠し金庫が装備され、18金の金塊を収められるようなデザインとなっている。また、グローブボックス内には「これが金ですよ、ボンドさん。私は生涯にわたってこの色、この輝かしさ、そしてこの神聖な重厚感に心奪われてきました(This is Gold, Mr Bond. All my life, I have been in love with its colour, its brilliance, its divine heaviness)」というゴールドフィンガーの有名な台詞があしらわれ、車内のエアベントやスピーカーフレットにも同じゴールド仕上げで、映画のタイトルが刻まれている。トレッドプレートには、映画に登場するゴールドバーを模したデザインが採用されており、24金メッキが施されたVINプレートには末尾が「007」の特別に取得された車両識別番号が刻まれている。 ●フルカ峠ギャラリー フロント・フェイシアに広がるギャラリーには、この特別仕様車の象徴であるビスポークのアートワークが収められている。手描きの立体デザインで、映画でジェームズ・ボンドがオーリック・ゴールドフィンガーを追跡するフルカ峠の等高線地図を表現。ステンレススチールの基材にPVD加工を施し、暗色の地に刻まれた等高線の下には金属の輝きがのぞく工夫がなされている。この複雑な仕様には1年が費やされ、10個以上の試作品を重ねて仕上げられた。さらに、中央のクロック・サラウンドは007シリーズの「ガンバレル・シークエンス」にインスパイアされている。 ●スターライト・ヘッドライナー 車内のヘッドライナーには、撮影当日フルカ峠の上空に広がっていた星空が再現。719個のゴールドの星が配置され、その中に流れ星が散りばめられている。ひとつひとつの星が手作業で取り付けられ、映画の世界観を象徴する幻想的な空間が作られている。 ●ピクニック・テーブルのインレイ:金塊保管庫への地図 ロイヤル・ウォールナット製のピクニック・テーブルには、米国フォートノックスの架空の地図をモチーフにした、厚さ0.1mmの22金インレイが施されている。6カ月の開発期間と3つの試作品を経て完成したこのデザインには、「グランドスラム計画」の舞台となった劇中の主要な場所が繊細に描かれている。 ●インテリアの配色:ゴールド・スタンダード 内装にはオリジナルにインスパイアされたゴールドのディテールが映えるよう、ネイビーのレザーとロイヤル・ウォールナットのウッドパネルが採用されている。リアシートにはリクライニング・セレニティ・シートを備えられ、ゴールドのステッチやヘッドレストの「RR」モノグラムがさりげなく高級感を演出。 ●精緻なディテール 映画の舞台であるストーク・パークでのシーンに敬意を表し、トランク内には金メッキのパターが収納されている。このパターには、劇中のゴールドフィンガーが身に着けていたシグネットリングを模した「AG」のモノグラムがあしらわれている。また、Q支部の発信器にインスパイアされた装置により、トランクを開けると007のロゴがさりげなく投影されるように設計されている。リアドアの傘には劇中のハーレクイン柄が再現され、最終仕上げとして「AU1」のナンバープレートも取り付けられ、映画への細部へのオマージュが徹底されている。 尚、ロールス・ロイス関係者によるコメントは以下の通り。 「ファントム・エクステンデッド・ゴールドフィンガーの実現は、ビスポーク・コレクティブがこれまで手掛けてきた中でも最も創造性に満ちたプロジェクトのひとつでした。映画の最も印象的な瞬間を取り入れたエレガントで遊び心のあるさまざまな要素は、既存の物語に新たな章を加えるビスポークの力を見事に証明しています。このコレクターズ・ピースを生み出すクリエイティブチームの一員であることを心から光栄に思います」 ロールス・ロイス・モーター・カーズ ビスポーク・デザイナー ニック・ローズ 「ロールス・ロイスでは、可能性の境界を再定義し、真のラグジュアリーの本質を明確にする、パーソナルな価値を深く反映したマスターピースを生み出すことに取り組んでいます。すべてのクリエーションには、常にお客様の期待を超えるような、卓越した唯一無二の自動車を提供するという私たちの揺るぎない決意が反映されています。この特別なプロジェクトは、クリエイティブチームにとって想像力を存分に発揮できる刺激的な挑戦となりました。最終的な作品は、コラボレーションの力と、私たちのデザイナーや職人、エンジニアたちの卓越した才能の結晶です」 ロールス・ロイス・モーター・カーズ 最高経営責任者 クリス・ブラウンリッジ 「私たちのビスポーク・コレクティブが映画公開60周年を祝福するというアイデアを見事に取り入れるのを目の当たりにできたのは、まさに素晴らしい体験でした。ファントム・エクステンデッド・ゴールドフィンガーの洗練されたデザインを通じて、この映画の素晴らしいストーリーが巧みに表現されています。私たちの創造性は自動車の製作にとどまらず、お客様とそのご家族に贈る特別な体験にも及び、また、ゴールドフィンガーのテーマに対する忠実さを一貫して貫いています。お客様との深い関わりを通じ、長く心に残る印象を創り出すこの卓越した能力こそが、私たちを真のハウス・オブ・ラグジュアリーたらしめるものです」 ロールス・ロイス・モーター・カーズ 英国・欧州・ロシア・中央アジア担当リージョナル・ディレクター ボリス・ウェレツキー ロールス・ロイスが捧げた、時代を超えて愛されるジェームズ・ボンドへのオマージュ。ビスポークの力を余すところなく発揮したファントム・エクステンデッド・ゴールドフィンガーは、60年の時を経た今もなお、映画と同じく多くのファンの心を魅了し続けるだろう。
Octane Japan 編集部