「50-50」を達成しても挑戦を続ける大谷翔平、今季見せた2つの新たな側面とは
新人剛腕投手と真っ向勝負
とはいえドジャース1年目の大谷の活躍は、やはり破壊力あふれるバットなしには始まらなかった。大きな注目を集めたのが6月5日のピッツバーグ・パイレーツ戦。大学時代は二刀流だったという超大型新人ポール・スキーンズ投手との対決だ。 1回の初対決では、スキーンズが100マイル(約160キロ)超えのストレートを3球続け、大谷を3回空振りさせて三振に打ち取った。しかし3回の2度目の対決では、フルカウントまで粘った大谷がスキーンズの100マイル超のストレートをはじき返し、飛距離415フィート(約126メートル)の本塁打にした。 「最初のイニングは真っ向勝負したかった」と、8月にスキーンズは私にそう語った。「間違いなくそれがうまくいった。2度目の対決では通用しなかったけどね」 スキーンズは、大谷を前にいつもとは違う緊張感があったことは認めた。大物だからではない。「大谷は苦手とするコースが少ないから、いつもよりきちんと、いくらか精度を上げて投げないといけない」と、スキーンズは言う。 2人が次に会ったのは7月のオールスター戦だった。スキーンズはナショナルリーグの先発投手に指名され、大谷は指名打者として3打点を挙げた。大谷と交わした言葉を、スキーンズはこう振り返る。 「一番よく覚えているのは、先発で緊張しているかと聞かれたこと」と、スキーンズは言う。 「『いや、それほどでも』って感じで答えて、『オールスター戦で先発したことは?』って聞いたら、『あるよ』って。それから『いま緊張してる?』って聞いたら、彼が『いや』って答えたので、2人一緒にいい感じでちょっと笑ったんだ」 【ドジャースと日本の深まる絆】 今もインタビューには日本語で答えているが、大谷の英語力は向上していると関係者は語る。チームメイトとのコミュニケーションは、2018年にMLBデビューしたときよりずっと容易になったという。ドジャース移籍後に通訳が代わってからはさらにオープンになったと、監督も選手も口をそろえる。 ❝SHOHEI QUOTE_04❞ 「自信のある時しかいっていない」 (8月17日のカージナルス戦後、好調の盗塁について語って)