2025年、米ハイテク株の大きなリスクは「日本」…ゼロ金利政策は持続不可能とBCAリサーチが指摘(海外)
2025年におけるグローバルマーケットのリスクの鍵は日本の存在だとBCAリサーチは指摘した。 日本の債券利回りの上昇が、テック企業の株価にとって重要なリスクになるという。 日本のゼロ金利政策からの転換を受けて、日本の実質利回りは2025年に上昇する可能性がある。 BSAリサーチ(BCA Research)の最新の報告書によると、2025年のアメリカ株式市場の安定性は、日本の債券市場の動向に左右される可能性があるという。 同社では、日本が世界の流動性の主要な原動力であり、つまりアメリカのテック企業の評価に対する最大のリスクはアメリカの実質国債利回りの上昇によるものではなく、日本の実質国債利回りによるものであると見ている。 それらのリスクはまだ市場価格に織り込まれていないと同社は付け加えた。 「人々がまだ議論していないことで、2025年に最も重要なのは日本についてだ」と、同社のチーフストラテジストのダヴァル・ジョシ(Dhaval Joshi)は述べた。 ジョシは、日本は世界の流動性を供給する存在として、ますます重要な役割を担うと指摘した。ナスダックの好況と不況のサイクルは、2019年から2022年にかけてアメリカの実質債券利回りと完全に一致した動きを見せた後、乖離したと彼は述べた。 その後、ナスダックは世界で最後に残ったマイナスの実質国債利回りである日本の利回りを追跡し、それ以来、両者はほぼ完全に連動して動いている。 「つまり、アメリカのテック企業の評価は、アメリカの実質国債利回りの上昇によるものではないということだ。最大のリスクは、日本の実質国債利回りの上昇からくるものだ」と、ジョシは語った。 日本のゼロ金利政策は持続不可能であり、2025年には金利が上昇する可能性がある。アメリカでも金利上昇が予想されているため、リスクは高まっている。 投資家は2024年、キャリートレードが崩壊し、8月に世界的に売りが起きた際、すでにこの展開について垣間見ていた。キャリートレードとは、投資家がゼロに近い金利で通貨を借りて、それをアメリカの株式や債券など高利回りの資産に投資することをいう。 アメリカ連邦準備制度理事会(FRB)が利下げするという見通しの中、日本銀行が想定外で金利を15ベーシスポイント上げた後、円高になった。これはマージンコールの波を起こし、投機筋がポジションを解消するために株式を売却した。
Kelly Cloonan