<熊本地震>14日夜の震度7は「前震だった」 本震・余震との違いは?
14日夜の発生以来、余震が頻発していた熊本地震で、16日午前1時25分ごろ、震度6強(マグニチュード7.3)の地震が発生しました。この地震を受けて会見した気象庁は「今回が本震で14日夜の震度7の地震(M6.5)が前震とみられる」との見解を示しました。「前震」「本震」「余震」とはどのようなもので、どう違うのか。今回の熊本地震のケースに当てはめて見てみましょう。 【動画】熊本で震度7 気象庁が会見「陸域の浅い地震では余震が多い」
「本震」の前に「前震」かを判断するのは難しい
政府の地震調査研究推進本部のサイトによると、ある地域で地震が発生した場合、最初に起きた大きな地震を「本震」、その場所でそれに続いて起きた小さい地震を「余震」と呼びます。余震の回数は、本震の直後は多く、その後は時間とともに減少していく傾向で、規模についても本震よりもマグニチュードが1 程度小さいことが多いといいます。 ただ今回の熊本地震では、14日夜から16日午後3時までの間に、震度1以上の地震が287回発生するなど余震が非常に多いこと、また震度6弱以上の地震も14日夜の震度7を含めて7回記録するなど大きな地震が相次いでいることが特徴です。 2004年の新潟県中越地震のように、同規模の地震が複数回起きてどれが本震か判別しにくいケースもあります。 「前震」とは、文字通り、本震が発生する前に、その震源域の付近で起きた地震のことをいいます。前震は本震の直前や数日前に起きることが多いのですが、一か月以上前から発生することもあるといいます。 熊本地震では当初、14日午後9時26分に起きた震度7が本震とみられていましたが、16日未明にM7.3の地震が発生すると、気象庁はこちらを本震とみなし、震度7の方を前震とする見解を発表しました。 震度7の地震は2011年の東日本大震災以来で、M7.3というと1995年の阪神大震災と同規模という、いずれも大きな地震でした。 このように前震とはいうものの、後になって「あれが前震だった」と判明することも少なくないようで、地震調査研究推進本部のサイトでも「本震が発生するより前に、ある地震が前震であるかどうかを判断することは、現状では難しい」と指摘しています。14日夜の気象庁会見でも「(震度7の地震について)この規模の地震が起きれば、経験則的に『本震』といえる」という趣旨の説明がされていました。 ちなみに、前震・本震・余震の区別がはっきりせず、集中的に地震が多く発生するものについては「群発地震」と呼ばれることがあります。最近では2000年に起きた伊豆半島沖の群発地震が有名です。