《ブラジル》昨年30件のUFO目撃報告=90mまで接近で回避行動も
ブラジルのパイロットによる未確認飛行物体(UFO)の目撃報告が後を絶たず、2023年には約30件にも及んだ。全国で報告されているが、特に南部に集中する。物体は多様な形を持ち、ジグザグに移動して接近するため、パイロットは危険を避けるために回避行動をとらざるを得ないことも。時に速度は飛行機の10倍以上にも及ぶと23日付オ・グローボなどが報じた。 この情報はブラジル空軍(FAB)の統合防空・航空交通管制センターに届けられ、国立公文書館ウェブサイトに公開された。公開文書にはUFO目撃に関する詳細な報告が含まれており、その形状や動き、速度など多くの興味深い情報が明らかになっている。目撃情報には速度や動きに関する驚くべき記述が含まれており、中には「葉巻型」「強い白色光」「ジグザグ運動」といった特徴もある。 UFO映像を検証する地元メディア
過去の報告例として、ゴル航空のフライト9109便が挙げられる。同機は2014年1月24日に首都ブラジリアから北東部フォルタレザに向かって飛行中、パイロットが「超音速」で移動するUFOを目撃し、衝突を避けるために回避行動を取らなければならなかった。このUFOは、ゴル航空の飛行機が高度1万~1万600mの間で着陸準備をしている際に観察された。UFOが非常に速い速度で移動し、航空機に接近する危険性があることを示している。 アビアンカ航空機もUFOにより衝突回避行動とらざるを得なくなった。北東部アラゴアス州とピアウイ州間を飛行していた別のパイロットは中~大型で白色の物体を視認し、それが超音速でジグザグに動いていると報告した。こちらのパイロットも衝突を避けるために回避行動を取る必要があり、UFOからわずか90mの距離まで接近したという。 南部地域での目撃情報が多く、特にサンタカタリーナ州とリオ・グランデ・ド・スル州に集中している。2023年2月7日午前3時、南部サンタカタリーナ州沿岸の都市ナヴェガンテスで、パイロットが「小さくなったり、大きくなったりする球体」を目撃した。この物体は「商業飛行機の10倍の速度」で移動していたとされ、この現象は前年に同じ場所で報告された事例と酷似していると報告した。 同年4月にはリオ・グランデ・ド・スル州ポルト・アレグレのサルガド・フィーリョ空港に着陸する準備をしていたパイロットが、白とオレンジに変化する静止したUFOを目撃した。同物体は着陸準備をする際に観察されたもので、その週は類似する物体を4日間も目撃されたと報告された。 同年1月21日の午前2時頃、サンパウロ州イリャ・コンプリダの上空を飛行中、パイロットが長距離に点滅する白い光を持つ4~5個の物体を目撃した。これらの物体は円を描くような動きをし、互いに近づいたり遠ざかったりした。その速度はマッハ8、すなわち音速の8倍だったとし、その物体の光や動きが衛星や宇宙ごみ、その他の既知の現象とは一致せず、説明がつかなかったと報告されている。 国立公文書館のウェブサイトでは、UFOという用語は起源が即座に特定できない飛行物体を指すものであり、衛星やドローン、気球、自然現象なども含まれる可能性があり、目撃された現象が必ずしも異星人の存在や高度な技術を示すものではないと強調している。