26日午前の東京外国為替市場のドルの対円相場（気配値）は、日経平均株価の大幅安を受け、1ドル＝153円台後半に下落した。正午現在は153円98～99銭と前日（午後5時、154円53～54銭）比55銭のドル安・円高。 　前日の海外市場では、欧州時間は欧州主要株価指数の上昇で154円70銭近辺まで水準を切り上げた。米国時間の序盤は次期トランプ政権の財務長官人事で急低下した長期金利を背景にドル売りが強まり、153円60銭近辺まで急落。中盤は米主要株価指数の上昇で154円50銭付近まで持ち直した。終盤は一段と低下した長期金利に伴い、154円00～30銭で推移した。 　東京早朝は、いったん153円80銭台まで値を下げた。その後、トランプ次期米大統領が自身のSNSに、中国からの輸入品に対して関税を10％上乗せするほか、カナダ、メキシコには25％の関税を新たに課す趣旨の投稿をすると、インフレ再燃懸念からドル買いが膨らみ、一時154円40銭台に浮上。しかし、貿易摩擦に対する警戒感から日経平均の下げがきつくなったことを受け、その後は153円80銭台に下押す展開になった。 　市場では、トランプ氏の関税引き上げは既定路線だが、手掛かり材料が乏しかったため、反応が大きくなったとみられている。 　午後は、日経平均をにらみながら、方向感のない展開が続くもよう。また、「国債市場参加者特別会合で何か発言があれば、為替に影響する可能性がある」（信託銀行）との声も聞かれた。 　ユーロは朝方に比べ、対円で下落、対ドルで上昇。正午時現在、1ユーロ＝161円07～09銭（前日午後5時、161円49～51銭）、対ドルでは1．0460～0461ドル（同1．0450～0451ドル）。