フォロワー約12万人インフルエンサーの「メンチニキ」さん、鹿児島県・奄美大島の魅力発信「島民の優しさこそ奄美の宝」
SNS(インターネット交流サイト)で多くのフォロワーを抱える「インフルエンサー」として活動している「メンチニキ」さんが来島中だ。奄美大島の魅力を発信しようと観光地を訪れた際、冬のボーナスを全額入れた財布を落とすというハプニングに見舞われたが、全額が入ったままの財布が届き、メンチニキさんは「都会では考えられない。島民のみなさんの優しさこそ奄美の宝」と感激している。 関西出身のメンチニキさん。「親父ギャグ」や「言葉遊び」に楽しみを見つけており、関西で使われている「メンチを切る」(にらみつけるという意味を持つ言葉)と、兄貴の意味がある「〇〇ニキ」を掛け合わせて誕生したのが「メンチニキ」。学ランを着け、サングラスを掛け、髪を逆立たせてのヤンキースタイルで、“SNS芸人”として「実際にメンチカツを切る芸が強み」という。 X(旧ツイッター)でのフォロワー数が約3万人から現在の約12万人まで急増したのは、「メンチレンタル」という活動によって。依頼を受けてさまざまな所に行き、メンチを切る行動をするもので、「平和的な解決手段」として評判だ。国内で知られる大手企業とのコラボレーションの実現も社員へのプラス面から。「企業の中で社員が新しい企画を考える。ところが上司の承認をもらえない。そこで一緒に『メンチを切る』パフォーマンスを行う。壁にぶち当たった時、乗り越えるための『後押し』のように捉えられている」とメンチニキさん。一見、こわもてで型破りなパフォーマンスも諦めず前進する勇気を与えているようだ。 企業の対象商品を1年分プレゼントするという企画では、メンチニキさんは、「当選者に1年間メンチを切りに行く」ことをプレゼントに設定。約3000人の応募があり、11月29日に抽選で当選者を発表した結果、当選者の住居が瀬戸内町と判明。翌30日、奄美大島を訪れ、同町の観光地でメンチを切るパフォーマンスを披露したところ、SNSで反響を呼んだ。 奄美大島に関する投稿は話題になっているが、各種ネットニュースでも取り上げられたのが島民の優しさを紹介した投稿。海に面した奄美市笠利町の観光地で財布を落としたもので、半泣きで警察署を訪れたところ、ちょうど財布が署に届いたタイミングだったという。メンチニキさんは「過去にも関東で財布を落とし見つからなかったことがある。今回、自分にとってかなりの大金を入れてしまい、どうしょうという気持ちから混乱すると同時に、諦めるしかないと思っていた。ところがお札が一枚も抜き取られることなく財布が戻って来た。なんていい島なんだろう。なんて正直な人が多いんだろうと感激した」と語り、「奄美は都会に比べてないものがたくさんある。でも都会が失ったものがたくさん残っている。世界遺産になった自然や景観は素晴らしいし、鳥刺しや鶏飯といった食べ物もおいしい。だが、何といっても人の優しさが一番。このコスプレ姿にも拒否感を示されることなく、受け入れていただいている」と強調。すっかり奄美に染まり、きょうも発信を続けている。