住宅ジャーナリストに聞く、50代からのリフォーム費用。
どんなところに、どのくらいお金をかける? 50代からのリフォーム費用を知っておこう。
この先の暮らしを想像したとき、本格的なリフォームが必要かも……と考えている人もいるのでは? 「気力、体力的にも、マネープランとしても、リフォームをするなら65歳くらいまでが適齢といえるのではないでしょうか。できれば50代のうちに検討したいですね」と話すのは、住宅ジャーナリストの山本久美子さん。 一般的に、リフォームをするきっかけは2つある。まず、家のどこかに不具合が生じたとき。そしてもう一つが、ライフステージが変化するとき。たとえば子どもが家を出た後など、誰もが多かれ少なかれ、老後に向けて住まいを見直す必要性を感じるだろう。 「水回りなどの設備を新しくするだけではなくて、部屋数を減らして間取りをシンプルにしたり、“減築”を選択することもあるでしょう。リフォームの技術はかなり進化していますから、大がかりな間取り変更以外のほとんどのことが可能ですし、費用の面でも建て替えるより低価格です」 相場感として、水回りをすべて交換するなら300万円程度はみておいたほうがいいと山本さん。
リフォームローンの特徴
●担保 住宅ローンで自宅を担保に入れている場合が多いので、主流は無担保。 ●借入額 1000万円程度までと、住宅ローンより借入可能額が少ない。 ●返済期間 短い(10年以内など)。 ●金利 担保なしの場合は、やや高い(約2~4%)。変動型が主流だが短期の固定期間選択型も。 *詳細はローンによって異なる
「浴室だけ、キッチンだけなど、部分的なリフォームならもっと低予算でできます。とはいえ、行き当たりばったりに何回もするよりも、まとめて一度に工事したほうがコストパフォーマンスがいいのは間違いありません。計画を立てて予算を決めましょう。仕事をしている50代なら、リフォームローンも組みやすいと思います」 リフォームローンは、無担保、短期で一定額までの融資を受けられるものが多く、住宅ローンと比べると金利は高めに設定されている。貯蓄が充分あれば、リフォーム費用に充てることも考えられるが、低金利の今なら所得があるうちに、定年までに返済する計画でローンを借りて、資産を大きく取り崩さないマネープランもあり得る。 「耐震、バリアフリーといった要件に当てはまる改修をすれば、補助金や減税を受けられる制度も充実していますし、内装などはDIYに挑戦してみるのもいいですね。費用を抑える方法はいろいろとあるので、借りられる金額ありきではなく、事前によく調べて使えるものは使うのが得策です」