「暗号資産」と総称するのは不誠実──アメリカのリーダーシップを維持するために必要なこと
アメリカのリーダーシップ維持に向けて
規制されたステーブルコインとそれに対応するバリューチェーンには、違法行為への使用を制限する効果的な抑止力がある。法律を遵守し、規制されている同業金融機関と協力し、金融の健全性を維持することは、大きな違いを生み出す。 これが、第三者機関の報告によると、USDCが99.95%の割合で合法的な目的に使用されている理由だ。リスクのない金融システムは存在しない。だからこそ、優良な暗号資産企業、銀行、ノンバンクは、法執行機関とともに、不正金融との闘いに集団防衛モデルを採用することが有益だろう。 暗号資産業界は、トラベル・ルール(マネーロンダリングやテロ資金供与を防止するための国際的な情報共有基準を定めたもの)を運営レベル、技術レベルで幅広く遵守している。 また、コインベース(Coinbase)と少なくとも他の58の暗号資産企業が採用しているトラベル・ルールコンプライアンスのための規格「TRUST(Travel Rule Universal Solution Technology)Network」の一部でもある。 動きの遅い政策立案者たちは、金融活動作業部会(FATF)の勧告16に基づき、暗号資産取引に関する世界的に調和されたルールをいち早く確立し、国際的な暗号取引にトラベル・ルールを課している世界有数の金融犯罪コンプライアンス機関が示した模範を参考にするとよいだろう。 1500億ドル以上の時価総額を誇るステーブルコインは、無視できないほど重要な存在だ。米ドルの信頼とインターネットのパワーを結びつけることで、世界の金融システムを根本的に近代化し、より迅速で公平なものにする準備が整っている。 アデエモ財務副長官が言うように、アメリカ経済と世界における我々のリーダーシップに対する複雑な脅威が多数存在している。かつての銀行と同様、斬新な暗号資産市場に向けて、明確な法律を成立させることで、このリーダーシップを維持することができる。 |翻訳・編集:山口晶子、増田隆幸|画像:Ryan Quintal/Unsplash(CoinDeskが加工)|原文:Crypto Does Not Have an Illicit Finance Problem, Bad Actors Do
CoinDesk Japan 編集部